海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

『海堂ニュース』最新ネタ満載!

2012.03.23 2012:03:23:18:30:09

ゾンビ企画、医療事故調査モデル事業は死因究明格差を拡大する。

9)「海堂ラボ」最終回の収録。佐賀原発のメール問題などで勇名を馳せた郷原信朗先生とは、確か三度目の対談。珍しくヒートアップしてしまったのは、「今の検察は大きく変えなければならない」と主張する郷原先生に、「だとしたら小さなところが変えられるようでないと掛け声だけになる。それにはまずAiの情報を医療現場に全面委任する、というところから始めたらどうですか」という提案に対し、言を左右にして同意していただけなかったからでした。うーむ、やはり司法はAiを毛嫌いしているのでしょうか。
 

 最終回は書評家の東えりかさんです。いや、違います。最終回のゲストは海堂尊、私自身です。最終回のみ「海堂ラボ」改め「駒村ラボ」と看板を掛け替え、キャスターに駒村多恵を抜擢、アシスタントとして東えりかさんをお呼びし、ゲストに海堂尊を招いた、という仕組みです。ま、ひらたく言えば、私がキャスターを降格され、その慰労にゲスト出演というあめ玉を飲んだという、番組内謀反とも見えますね(笑)。
 

 これに関しては、何を話したかよく覚えておりません。ゲストがいつも言っていた、あっという間に終わってしまうということを実感しました。
 

 これにて一年半、全36回、ゲスト34名をお招きした海堂ラボ、終了です。
 

 視聴者のみなさん、暖かいご声援、ありがとうございました。
 

 これに関連し4月、PHP新書で海堂ラボ書籍版第一巻を刊行します。雑誌「Voice」に連載しているのをまとめたものです。十二人のゲストに登場していただきました。タイトルは『日本の医療・この人を見よ――海堂ラボVol.1』です。構成ライターは東えりかさんにお願いしました。そこに新たに、ゲストご本人、私、駒村さんが寸評を加えてあります。お楽しみに。
 

10)新潮社「波」、キューバ紀行「キューバ・ラブワゴン」第3回は4月号掲載。副題は「バヤモ・レボリューション」。やっと最初の訪問地に到着。でもバヤモの出来事の半分しか書けませんでした。残る連載はあと一回。それなのにこれからバヤモの残り半分、サンタクララにハバナ・アゲイン。果たして海堂尊は日本に戻ってこられるのか。
 

11)将棋世界の方に声を掛けていただき、A級順位戦の一番長い日、を観戦。みなぎる緊張感にへとへとになりました。これに伴い近日中に、あっと驚く企画の告知が。何か、これもパターン化していますが、ほんとにびっくりなので。
 

12)びっくりと言えば4月25日、三浦綾子先生の生誕九十周年の記念会で講演会をすることになりました。先日、NHKの番組で、私が生まれて初めて買った文庫本が三浦綾子先生の『塩狩峠』だと言ったのがご縁でした。『氷点』など、今読み返しても、まったく古びていない名作だと思います。いずれにしても光栄です。
 

13)春は文庫化の嵐が続きます。まずは4月、『ブラックペアン1988』新装版。今度は一冊です。続いて5月、『ブレイズメス1991』、さらに6月は『アリアドネの弾丸』上下巻です。
『ブラックペアン』は一冊の合本にしてもらいました。なので手を入れないつもりだったのですが、何とまたまた手を入れてしまいました。文庫文庫だったのに......
 

『ブレイズメス』と『アリアドネ』は大変な思いをして直しています。ゲラをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、いくらこなしても後から後からゲラがやってきます。ぜいぜい。
 

 でも、『プレイズメス』の解説はあっと驚く方が書いて下さるらしい。楽しみです。
 

14)ついでですが、こんなこともやってました。以下は朝日新聞記事から引用。
 

 ミイラは肥満で腰痛持ち? インカ帝国展で展示(朝日新聞2012年3月5日)
 肥満で腰痛持ちの結核にかかった中年男性?――。インカ帝国時代のミイラのCT(コンピューター断層撮影)スキャンによる解析が2日、放射線医学総合研究所(千葉市)で行われ、推定される生前の姿が浮かび上がった。撮影したのは、展示のために日本に運ばれた15~16世紀のミイラ。ペルー北部のアマゾン源流に近いチャチャポヤから見つかった。

 布にくるまれたまま20分かけて撮影された。骨格などから身長150~160センチ、45~50歳の男性と推定。骨の形状から多少の腰痛があったかもしれないという。ひざを折り曲げ、手で顔を覆うような姿勢でくるまれており、腕の曲げ方から肥満だった可能性もある。エジプトのミイラとは異なり内臓が残されたままで、心臓や肺周辺のリンパ節の特徴から、結核にかかっていたらしいことも分かった。ただ、進行はしておらず、死因はまだ不明だ。ペルーにあるミイラセンターのソニア・ギエン所長は「地方貴族の可能性が高い。考古資料から推定するしかなかった健康状態や暮らしぶりなど、当時の様子を総合的に理解する糸口にしたい」と話した。

 このミイラを展示するインカ帝国展(朝日新聞社など主催)は東京・上野の国立科学博物館で10日から開かれる。CT画像の解析には、放医研のほか、国立科学博物館、千葉県がんセンター、財団法人Ai情報センターなどの専門家があたった。(竹石涼子)
 

                   
                                       2012
年3月15日 海堂尊

 

 

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