しかもモデル事業の主体は東京都、大阪市です。記事も大阪です。以前から申し上げている通り、東京と大阪は監察医制度があるので死因究明制度はそこそこ充実し、合格点を差し上げてもいい地域です。そこに更にこのような「あぶく銭」を投入しようという考えが理解できません。
記事にコメントを寄せた教授が在籍する藤田保健衛生大学があるのは愛知県で、やはりモデル事業が実施されていますが、以前ブログでも書いた「二歳男子術後死病理解剖拒否・冷蔵庫保存経費要求事件」を起こした名古屋大の足元で、遺族が医療事故死を疑ったのに、その事案はモデル事業に適用されなかったという、大問題を生じさせています。少なくともモデル事業擁護記事を書くのであれば、そうした経緯や背景などにも言及しなければ、中立公正とは言えません。少なくとも記者は、日本全体の死因究明制度についてあまりに不勉強、準備不足でこのような企画を執筆したのだと判断せざるをえません。