海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.03.23 2012:03:23:18:30:09

ゾンビ企画、医療事故調査モデル事業は死因究明格差を拡大する。

「医療事故調」の議論再開 3年ぶり、厚労省が検討会 共同通信社  215() 配信
 

 医療事故の原因究明や再発防止の仕組みに関する厚生労働省の検討部会が15日、初会合を開き、「医療版事故調査委員会」をめぐる議論が約3年ぶりに再開した。検討部会のメンバーは弁護士や医師、医療事故被害者の遺族ら16人。事故原因を調べる組織の位置付けや目的、対象範囲を話し合い、警察の捜査との関係も議題とする。厚労省は自公政権下の2008年6月、第三者機関を設置する法案の大綱案をまとめたが、医療界の抵抗や政権交代の影響で宙に浮いていた。会合では、厚労省の大綱案のほか、当時野党だった民主党が出した対案や、学会などの意見も踏まえ、新たな制度を話し合うことで合意した。厚労省は昨年8月、過失の有無にかかわらず医療事故被害者を救済する「無過失補償制度」の創設を目指し検討会を設置。議論の中で「まず事故原因の調査の在り方を話し合う必要がある」として部会を設置した。
 

 

 読売の医療ルネッサンス記事が掲載されたのは2月10日まで。そして15日にこのような会が開かれたということは、読売新聞記者は、こうした流れを当然知っていて、このタイミングで誘導的に書いたというようにも見えてしまいます。
 

 これでは霞が関の提灯記事という謗りは免れ得ないでしょうね。 
 

 

 近況です。
 

1)初の短編集『玉村警部補の災難』を宝島社から好評発売中。災難転じて福となる、という感じです。売り上げがいいのは嬉しいけれど、全国の読者の脳内で、玉ちゃんの不幸が再生されているかと思うと、もう不憫で不憫で。
 

2)角川ワンテーマ新書にて『医療防衛――日本医師会はなぜ闘うのか』を上梓しました。日本医師会常任理事の今村聡先生との対談本で、中身は「知られざる日本医師会」。ほんとに私も医師歴四半世紀ですが、ほとんど知らなかった日本医師会の姿です。メディアは、日本医師会は叩いていれば売れる、という盲信しているようですが、その意味でこの本は、これまで誰も読んだことがない本になっていると思います。医療従事者や医学生は必読、この本を読まずに日本医師会を語ると、将来恥を掻くことになりかねませんのでご注意を。天馬大吉と別宮葉子という、螺鈿迷宮輝点炎上コンビも一生懸命仕事をしました。
 

 日本医師会は、こんな素晴らしいことをやっています、ともっと言えばいいのに、と言ったら、「そういうことは自分で言わないできたのが日本医師会なんです」と言われたので、それなら私が言ってやろうじゃないの、と思って作った本です。
 

 ちなみに私は日本医師会会員ではありません。入りそびれてしまったんです。医学生のみなさんは、医師になったら日本医師会に入った方がいいですよ。先輩からの心からの忠告です。
 

3)『ケルベロスの肖像』(宝島社)絶賛手直し中。ゲラが真っ赤になり呆然としましたが、版元さんの希望で七月刊行になりほっとひと息。ゴールは近い。
 

4)『輝点炎上』タイトル改め『輝天炎上』。という段階でごちゃごちゃやっています。かなり手強いです。ぜいぜい言ってます。ひょっとしたら、刊行は少し延びるかも。すみません。
 

5)新聞三社連合『アクアマリンの神殿』、週刊現代『スリジエセンター1991』は共にゴール寸前。このふたつの作品は連載が終わったら、じっくり寝かせて練り直そうと思います。最近は、一生懸命早く仕上げると手抜きだと言われ、出版社から心情的ほったらかしにされ、軽く扱われてしまう感じがして、心外な思いをします。困ったことに版元さんも直接の担当ではない上層部の人が、人に見えないところで意地悪をする傾向がある。ここ一年で、何人か張本人を確定しました。私も自衛をしないと、ね。
 

6)一方で評価してくださる暖かい企画も数々。「ダ・ヴィンチ」4月号ではミステリ特集で、東野圭吾さん、伊坂幸太郎さん、綾辻行人さんと並んで特集していただきました。光栄至極です。ミステリファンにとっても永久保存版です。
 

7)「ミステリマガジン」では杉江松恋さんの新企画「ミステリちゃんが行く」に取り上げてもらいました。けっこう言いたい放題しましたがうまくまとめてくれました。興味深いのは、杉江さんが導入した徒弟制度。大学のミステリ研究会の方が同行し下仕事をされたとのこと。名物連載になるでしょう。しかし毎回、学生さんを同行するのは相当の覚悟がないとできないことですね。かといってある人には同行し、ある人は同行しないというのも問題だし。
 こういう試みは是非、継続してほしいです。
 

8)これは先の話ですが、「INPOCKET(イン・ポケット」で医療小説特集を組んでもらえることになりました。これに伴い短編掲載予定です。乞うご期待。
 

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