海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.03.23 2012:03:23:18:30:09

ゾンビ企画、医療事故調査モデル事業は死因究明格差を拡大する。

 以下は2月9日付け、医療ルネッサンスからの引用です。
 

死因究明モデル事業制度作り 政治が翻弄
 
 昨年4月に東京都内で開かれたモデル事業の運営委員会は大もめになった。事業主体である日本医療安全調査機構の理事会が、第三者委員と院内委員が合同で調査する「協働型」を一部に導入し、従来の第三者調査をすべて打ち切る――と決めたのに対し、各地域で取り組んできた人たちが猛反発したのだ。「今までやってきたことは何だったのか」「また警察の司法解剖にゆだねることになってしまう」激論の末、一転して第三者調査の継続が決まった。理事会の決定は、事業費の不足が理由だったが、政権与党である民主党の意向も影響したようだ。もともと診療関連死を調査する中立的専門機関の創設を求めたのは医学界。医療事故が社会問題になり、民事訴訟や刑事捜査が増えたことに危機感を高め、2004年に19学会が共同声明を出して提案した。それを受け、モデル事業が05年9月から始まった。さらに本格的な制度づくりに向け、自公政権時代の08年、厚生労働省は「医療安全調査委員会」(仮称)を地方ごとに設ける法案の大綱案を公表した。ところが一部の医師たちや学会が「医療機関に届け出を義務づけるべきではない」「場合によって警察へ通報する規定があるのは問題だ」などと反対した。そうした反対派の意見に沿って、院内調査を基本とする制度づくりを公約に掲げたのが民主党。政権につくと、約1億7600万円あったモデル事業への補助金を、11年度から約1億2000万円に削った。厚労省案に賛同していた日本医師会も、民主党に近い会長になってから姿勢を変え、昨年7月、院内調査主体の制度を提案した。本来、政治的なテーマではないのに、政治的に扱われ、振り回されてきた調査制度づくり。補助金の削減に伴い、モデル事業の茨城の事務局は東京に統合され、宮城など3地域で常勤だった調整看護師が非常勤になった。運営委員会では「民主党は、モデル事業の"立ち枯れ作戦"を進めている」という声も出た。事業継続のため、主な医学会が分担して年間6000万円を出すことになった。調査に携わってきた藤田保健衛生大教授(病理学)の黒田誠さんはこう話す。
 

「院内中心の調査では遺族の信頼を得にくく、記録改ざんの可能性もある。まずは診療記録の保全と解剖で客観的事実を担保する。そして第三者を中心に院内委員も加わり、遺族の意見も聞いて調査を進めるといった現実的な形で、本格的な制度を早く実現したい」
 

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