海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.02.19 2013:02:19:16:44:00

モデル事業が取材を受けないわけ、あるいは司法解剖が増えないのに問題にされないことなど。

 そんな中、久し振りにAi学会に出席しました。参加人数は百七十名を越え、発表演題も多岐広範にわたる34題と、ちょっと見ないうちにすっかり立派な学会になっていました。これも現在の執行部や阿部一之大会会長の尽力の賜物でしょう。

 

 昔、アンチAiの会員が、Ai学会をガタガタにしようと画策したことがあったことを思い出しました。反対のための反対をしていた人たちは、今はもう姿を見ませんし、他の場でもAiのエの字も口にしていないようです。こうなるとやはり彼らの目的は、Ai学会を破壊することだったとみなさざるをえません。残念ですね。といっても、抵抗勢力はごく少数だったんですけど。

 

 あの時私が守ろうとしたのは「学会費無料という枠組み、フェアでオープンな議論の場とその透明性の維持」でした。その方針は学会員多数の支持を受け、方向性が守られる担保ができたのを見届けて理事を辞任したのです。

 

 結局、誰の判断と行動が正しかったかは歴史が証明してくれたわけです。いくら法医学会上層部や病理学会上層部が躍起になって誹謗中傷しても、Aiの素晴らしさは市民には伝わるのです。

 

 

 そういえば病理学会はAiの専門部会を作るつもりはないのでしょうか。厚生労働省の科学研究費を使い、Aiの統括研究までされた教授が病理学会の理事長になっているというのに、ご自身が自ら手を挙げたAiに関し病理学会としてまったく対応しない姿勢は奇異に映ります。

 

 実は昨年末、m3という医療関連情報ネットのH記者から取材を受けた時、この問題を提起し、拙著『ほんとうの診断学』(新潮選書)を勧めたらすぐに読んでくれ、「おかしいです。何とか問題提起したい」といい、担当教授との対談なり討論なりを企画する方向で検討するとおっしゃってくれましたが蓋を開けてみると、病理学会理事長に聞く、なる記事は出たもののAiに対する相変わらずの一方的な思い込み発言がちらりと触れられているだけでした。H記者は間違いなくそうした提案をしたに違いないと推測します。となるとインタビューを受けた方が、この提案に対して尻尾を巻いてすたこら逃げ出したのでしょう。

 

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