海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.02.19 2013:02:19:16:44:00

モデル事業が取材を受けないわけ、あるいは司法解剖が増えないのに問題にされないことなど。

 前回は柄にもなくAiについて穏やかに書きましたが、今回はまた先祖返りしています。

 まずご報告から。前回のブログで医師会の検討会開催が放置されていると書きましたが、検討会日程が2月15日に決まりました。

 

 医師会の事務局は膨大な仕事を抱えていますので、医師会から見れば、Aiのことなど些細な問題にすぎません。これは嫌味ではなく、たとえば国会から見たらAiはささやかな問題だというのと同じです。ただし大切な問題だということは間違いありません。

 

 日本医師会の本義を考えると、Aiに対する対応は、モデル事業や医療安全調査機構への対応よりも重視すべきであることは確かです。なぜならモデル事業は医療関連死に関わるだけのことで、おそらく全死亡例の1パーセント程度の話にすぎないのですが、Aiは全死亡例に関わる大きな話なのですから。そしてAiのシステムはモデル事業の土台にもなるので、土台をきちんとしないのに、砂上楼閣みたいな、現実に機能不全を起こしているシステムに入れあげるなんて、ちょっと的外れです。

 

 Aiよりもモデル事業を優先して検討するのは、センスが悪すぎます。その結果、社会的遅滞をもたらし、医療現場にもマイナス要因として跳ね返ってきてしまうでしょう。

 

 ですので、Aiを推進する人たちが、常に医師会に働きかけ、スケジュールや企画を催促しなければならないのです。Ai検討会開催が遅延したのは、そうした熱意が不足した結果だとも言えるでしょう。

 

 私もこうしたことをいきなりブログで書いたわけではありません。かれこれ一年以上、そうした積極的な働きかけをしなければAi活動は先細りになりますよ、と忠告してきました。でも検討会はこの三月までの企画なので、一月中にアクションがなければ一度も開かれずに終わってしまうおそれが出てきたのでタイムリミットぎりぎりであの文章を書いたというわけです。

 

 今回の対応で、もう少し医師会のサポーターを続けようと思いました。でも、サポーターは自発的な意識で成立しているので、一度こころが離れたら、なかなか元には戻らないものです。そうした緊張感を失い傲慢になり、多くのサポーターを失ったのが先般の民主党であり、また官僚機構だということは念頭に置いておいてほしいものです。

 

 ミスをした時の態度に、その人の真価が現れます。そして周りは、そうした時のその人の姿をじっと見つめているのです。

 

 

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