海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.02.01 2013:02:01:21:06:01

今年は散文的に

 いつもなら、Ai関連で吠えまくりスタートするこのブログですが、今年は趣が違います。昨年六月、死因究明関連二法案が、情報公開をすべしという付帯決議と共に可決され、私のAiに関する仕事は終了した、と申し上げました。これからは現場の先生方が主体になって動くべき時になったと思っているからです。本年からはAiならびにAi学会の活動については、私は場外からの応援団という位置づけで考えていただくと幸いです。

 

 ただし「Aiは専門の放射線科医が診断し、その費用は医療費外から医療現場に支払われ、その結果は遺族と市民社会に公開されるべき」というAiプリンシプルは、市民社会のための唯一解にして絶対的真理だという自信があります。したがってそうしたプリンシプルの達成を阻む人たちは、たとえどんな理屈をつけたとしても、結局は市民社会のためを思ってのことではなく、自分たちの小さな権益を守ることを大切に思っている人たちだ、と断言できることは、ここにはっきり書かせていただきます。

 

 

 今年はいろいろ、方向転換の年だなあ、と思っております。

 

 私は昨年、さまざまなシーンで日本医師会を支持する発言をしてきました。それはAiの遂行に関し前向きに、誠実に対応してくださったからです。ところが昨年後半から風向きが変わりました。医師会でAiに関する検討会を実施する、できれば昨年末に一回目を開くという報せが十二月初旬にきて、メンバーも決定されていたにもかかわらず、その後一月末の今日になるまでまったく音沙汰がないのです。ひどい対応ですね。

 

 医師会の中には、厚生労働省が主導するモデル事業を支持している理事もいて、おそらくそうした方の意図的なサボタージュだろうと推測しています。そうだとしたらあまりに市民社会のことを考えていないということになり、昨年私があちこちの講演会で、医師会は素晴らしいと言ったことが嘘になってしまいます。

 

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