それにしても厚生労働省は、そして警察庁はいったい誰のために仕事をしているのでしょう、などと思わず質問したくなってしまうようなエピソードの連続ですね。
さて、ここで大変興味深い「偶然」についてお話ししましょう。
この検討会の報告は、本来昨年末にまとめられる予定でした。それが延びに延びて5月30日になったわけです。まあ大震災があったのでやむなし、と思えるかもしれませんが、そもそも年度末の最終会議の日程は3月14日でした。
当初の予定日である3月14日、この日付を覚えておいて下さい。
5月30日、日経BP社に関する東大深山教授が提訴した名誉毀損裁判の判決があり、読売新聞、毎日新聞などはAi検討会のニュースは伝えず、裁判結果を報道しました。
毎日新聞の記事などは、『海堂氏は日経BP社が運営するサイトで、深山氏が厚生労働省から交付金を受け行った研究を「二番煎じ、はっきりいえばパクリ」などと記載した。志田原信三裁判長は、記載の主要部分の大半を「真実とは認められない」と結論づけた。【和田武士】』などと報じています。
日経BP社はボロ負けですね。しかし、損害賠償額として550万円も請求しながら、認められたのはたった30万円(プラス裁判費用5万円)。また判決文には「本件各記事を掲載する行為の公益性は高い」と明確に認め、「謝罪広告の掲載請求は理由がない」と断じています。新聞記事にはこうした公益性を認めた部分をまったく斟酌しない報道となっています。しかも、記事での報道はぼろぼろなのに、損害賠償額は関連した他のふたつの裁判よりもはるかに低額だという、一種、混乱した判決になっています。
何を根拠に、損害賠償額を決定したのでしょう。法学的にきちんとした根拠があるはずですが、どうもよくわかりません。