海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2011.02.24 2011:02:24:23:18:55

「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会報告書(案) 」の問題点

おわりに

厚生労働省;本検討会においては、死亡時画像診断の有用性や実施体制等の整備等について、CTが撮影機器となることを前提として鋭意検討を行い、本報告書において、現時点における一定の整理と見解を示した。死亡時画像診断は、その有用性と限界を十分に踏まえつつ、適時・適切に活用することで、死因究明の質の向上に役立つものである。ただし、現状においては、死亡時画像診断のみでは、死因の確定診断に至らないことも少なくなく、あくまで、一般的に死因究明の過程で行われる他の検査の一つとして捉えるべきとの意見があるなど、死亡時画像診断の用語の定義については、更なる議論が必要である。また医療機関外の死亡時画像撮影専用の施設における安全な死亡時画像撮影のための基準についても、今後、検討する必要がある。

 


 

 新システムを作る時はAiを実際にやっている人の意見を尊重し、やっていないけど心配だ、みたいな人の意見は端折らないと口舌の輩が市民のための素晴らしいシステム作りを阻害してしまうでしょう。
 

 厚生労働省;さらに我が国における死因究明体制の向上の観点から、今後の医学の発展等を視野に入れ、MRI等の他の画像検査についてもその有効性や限界、活用等について、より一層の議論がなされることが望ましい。また死亡時画像の撮影・読影技術の向上には、死亡時画像の読影結果と解剖結果の比較検証も重要であることから、その検証には、厚生労働省の補助事業である「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」等を活用すべきである。


 

 蛇足です。五年間で六億円使いたった百例しか実施できなかった筋悪の「モデル事業」活用など、まったくの無駄であり、足手まといです。朽木に仏は彫れません。たとえばモデル事業に関連した深山班の研究結果がいかにとんでもないものだったかは拙著『ゴーゴーAi』で指摘しました。研究結果に対する科学的な方法論の本質的批判ですから、これは絶対に名誉毀損にあたりません(笑)。主任研究官に病理医である深山氏を選んだ厚生労働省・医療安全推進室は、研究結果あるいは方法論に対する学術的批判に真摯に答えていただきたい。でないと税金の無責任運用の謗りを免れません。研究班は報告書を出しているので、もはやどう頑張ってもその謗りは免れ得ないんですけれど。
 

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