でも、こんな組織に年間一億円弱もの税金が投入されているとなると、そんな風に呑気な気持ちでいるわけにもいきません。
「この四月で幹部の人事が大分代わる」という話もされていたそうです。つまり、医療安全調査機構が発足して二年、実効性のあることはまったくできなかったということでしょう。取材拒否は実績がないから、という結論にならざるをえません。
前身のモデル事業から考えると十年近い年月が経っているのにこのていたらくでは、市民社会からの信頼を失ってしまう。前回、名簿を上げた日本の医療のお偉いさん方は、医療の現場の最前線で頑張っている人たちを見殺しにしようとしているのでしょうか。
そんな中、別の情報も届きました。4月14日に内科学会のパネルディスカッションが開催されるという情報です。(敬称略)
第110回日本内科学会総会パネルディスカッション
死因究明のさらなる向上をめざして
司会 帝京大学 寺元民生 信州大学 久保恵嗣
医療における病理解剖―剖検率の低下について考える 東京大学 深山正久
司法解剖と行政解剖 獨協医科大学 徳留省吾
死亡時画像診断の活用と現状について 東海大学 今井裕
内科医にできる死因究明とは何か―神経内科医の立場から 慶應義塾大学 鈴木則宏
循環器領域における死因究明の現状と課題 順天堂大学 代田浩之
死因究明制度の基盤整備に向けて〜法律家の立場から 児玉安司
モデル事業から中立的第三者機関創設へ 虎の門病院 山口徹
前回に記載した医療安全調査機構に関連した「診療行為に関連した死亡の調査分析事業の在り方に関する企画部会」のメンバーが半数を占めていることがおわかりになると思います。このことから、このパネルディスカッションの企画の意図は、内科学会が医療安全調査機構を支持し、そのプロパガンダに励もうとしているのは明らかです。