Aiが解剖ほど役に立たないから、Ai導入は注意深く行うべきなどという、警察関係者や解剖関連学会上層部、あるいは厚生労働省医療安全推進室の人たちの言葉を鵜呑みにしてはなりません。それでもAiを実施しなければ、その時はもっと稚拙な体表検案で判断されているのが実情です。ならば、Aiを実施した方が、はるかに細密で誠実な死因究明ができるのです。
その点、今回の医師会主催のシンポジウムでは日本でただひとり、きちんとAiに対応できる法医学者の大阪大学の飯野先生も御発表になります。飯野先生の存在は、閉塞している法医学会の希望の星になることでしょう。
近況です。
1)週刊誌2本、新聞1本の連載のうち、週刊朝日の「極北ラプソディ」はゴール間近。おそらく年内に単行本として刊行できるのでは、と思います。
2)小説新潮11月号に短編を執筆します。「被災地の空へ DMATのジェネラル」というタイトルで、医療小説特集号の企画です。その中で、サプライズ企画が公表されるかもしれません。乞うご期待。
3)短編執筆に伴い、自衛隊小牧基地に、航空機動衛生隊の取材をさせていただきました。いろいろと丁寧に紹介をしていただき、大変勉強になりました。
4)朝日新聞オーサーズビジットでKTC中央高等学院仙台キャンパスへ。今回は、海堂尊の人生相談、という感じ。生徒さんはとても真面目でした。11月に紙面掲載予定。
5)山形県山辺町のたいけん堂という企画で山形を訪問予定。詳細は後日。
5)海堂ラボは、解剖率100パーセントの町、久山町スタディの清原裕先生と、若年性アルツハイマーの大家、新井平伊先生。清原先生は久山町スタディにAi導入を宣言。新井先生には、アルツハイマーの基本をじっくり教わりました。わかってしまえば簡単だけど、それを簡単に教えてもらえる人は滅多にいないのです。
6)「アクアマリンの神殿」が好評らしい。ご褒美に、三社連合さんが主催されている将棋の王位戦の対局を見学させてくれました。タイトル戦中にもかかわらず、広瀬王位と羽生二冠とも、少しお話しさせていただきました。解説に関わる方々のお話も伺い、とても楽しかったです。
7) 今年は、2年振りに『このミステリーがすごい!』に短編で参戦します。構想は完成し、あとは仕上げを待つばかり。今年は11月にちょっと大きな仕事があるので、前倒しでやってます。
2011/09/07 海堂尊