ここで言いたいことは、もしもあの時私が声を上げなければ、市民の多くはこうした問題があることすら知らずに終わっていた、ということです。それはすなわち、公益が損なわれることになるのです。民事裁判の控訴審では論評の公益性についてしっかり認められています。ちなみに深山氏が日経BP社を名誉毀損で訴えていた地裁判決は、3月14日言い渡し予定だったのですが、突然、言い渡しを5月30日に延期するとの連絡があったそうです。
裁判所は私の高裁判決の時も言い渡しの延期をしています。これって、審理を十分に行っていないから起こっていることなのではないでしょうか。こうなるとはっきりいって一連の民事裁判における判決姿勢が妥当かどうか、第三者に検証していただく必要が出てくると思われます。私個人の裁判も現在、最高裁に上告しておりますが、高裁の判決言い渡しの延期、ならびに日経BP社の地裁判決の言い渡しの延期、という状況を踏まえた上で対応していただきたいものです。また裁判結果の報道の際も、判決言い渡しが延期になった事実を併記し、延期理由を取材してもらいたいです。でないと報道被害を受ける可能性があります。司法にも、いや司法こそ、説明責任は要求されます。きちんとした報道ならびに結果検証を行っていただきたい。何しろこれは、言論の自由を名誉毀損裁判が阻害する、という憲法問題に係わる重要なことだからです。それはメディア自身の生命線でもあるのです。
ここで学会上層部と厚生労働省の方々に送りたい、故事成語があります。
李下に冠、瓜田に靴。