誤解なきように言っておきますと、日本医学放射線学会では、エーアイの先行研究をきちんとリスペクトしてくれており、大友理事長はエーアイに対し放射線学会としていかに対応すべきか、理事会で検討会を行い、そこには千葉大法医学教室の岩瀬教授と筑波メディカルセンター病院の塩谷先生を呼んで30分ずつ講演を依頼しているのです。(私も闇雲にアンチ東大・アンチ学会上層部、というわけではないのです・笑)。ちなみに、私もその理事会にオブザーバー出席を依頼したところ、出席資格は当然ないのですが快諾していただいた、という経緯があります。
さらにその後の展開で、CT購入も難しくなった東大・東海大では、レンタルでCT検診車を設置して、期間限定でこうしたことを行おうとしています。
つまり、公募研究の額の大半を占めようとしている東大、東海大では、診療用機器を用いたエーアイ実施のコンセンサスすら取れない、というエーアイ後進施設でもあるにもかかわらず、オートプシーイメージングに関してつけられた公募研究をおこなおうとしているのです。
エーアイの実績を有しない東大に八百万、東海大(病理学会理事長・長村教授の所属大学)に二百五十万を分配し、レンタルモバイルCT車をたかだか二ヶ月だか三ヶ月だか設置して、オートプシーイメージングに関してつけられた公募研究を行う。その一方で、エーアイを実地に施行して二十年になる筑波メディカルセンター病院とか、エーアイセンターを世界に先駆けて設立完了した千葉大に、中途から研究協力を要請しながら、そこへの分配金はたったの五十万。
これでは、エーアイの先行研究に対するリスペクトがない、といわれても仕方のない実状でしょう。
研究資源としての科研費の経済効率を考えれば、世界に先駆けてエーアイセンターを設立した千葉大に八百万、筑波メディカルに二百五十万、そして、これまではエーアイの実績がなく、これから実施に取り組む東大と東海大に各五十万という配分が適正だということは、一般常識からすれば当然のこと。そうしなければ、グローバルな研究競争に耐えられません。
こうした変更は実は可能で、なぜならこの公募研究は公募採択決定後の4月3日に、班員の追加という措置を行っているわけで、そうであれば費用分配の変更などは、主任研究官の差配で簡単にできることです。
本件公募研究の中身が確定したときに、当初の計画通りの費用分配比率であったとしたら、主任研究官の方針は厳しい批判を受けるでしょう。
すなわち、現状のままの経済分担比率(エーアイを未実施の施設に手篤く費用を分配するという枠組み)を施行すれば、主任研究官のモラルと見識が問われることになる。
2008.04.21
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