海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2008.09.17 2008:09:17:16:58:13

東大教授にブログ記事差し止め請求を訴えられた宝島社と某医療系出版社

 少々ご無沙汰しました。五ヶ月ぶりの更新です。まあ、いろいろありまして。まずはめでたいお話から。『チーム・バチスタの栄光』がフジテレビ系列(関西テレビ)でドラマ化されます。十月から火曜日22時の時間帯です。原作とも映画とも違う展開を考えているようで、楽しみにしています。実は中身についてはほとんど知りません。なのでここで述べることもできませんが、一視聴者として楽しませていただこうと思っています。医療監修は、映画と同じく須磨久善先生に総監修をお願いしています。

 近況。8月に『ひかりの剣』(文芸春秋社)が刊行されました。『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水晃一と『ジーン・ワルツ』の清川吾郎が、『ブラックペアン1988』とシンクロした時代に、医学生剣道大会で覇権を競う話です。9月には『ナイチンゲールの沈黙』が上下巻で文庫化されました。おかげさまで出足も好調のようです。
 10月に、「小説現代」誌で、バチスタ手術の日本における開祖、須磨久善先生の評伝の連載を開始します。タイトルはずばり『外科医』。その半生はフィクションよりも面白いです。是非、御一読下さい。
 そして11月には、宝島社より、『イノセント・ゲリラの祝祭』を刊行します。これは、不定愁訴外来担当田口が、厚生労働省に殴り込み(?)という話です。お楽しみに。

 さて、能天気なことを書き連ねて参りましたが、少々げんなりすることをご報告します。7月4日付けで、東大病理学教室深山教授から、宝島のブログならびに某医学書系のブログに対し、掲載差し止めの仮処分申請がなされました。現在係争中ですが、まだまだ長引きそうです。
 まず、この二社に感謝したいと思います。二社とも、私の主張を理解していただき、掲載差し止めには応じないという姿勢を貫いて下さっています。私がブログで書いた内容が、圧力で表に出されなくなるようでは、世の中はどんどん悪くなっていってしまう。そうした私の危機感を共有して下さっている。営利企業ではありますが、営利を越えて対応して下さることに、本当に感謝いたします。ただ、それも、二社とも、私のブログが個人を攻撃した誹謗中傷ではなく、社会問題を問う、公的問題を正面から扱った公益性の高い内容だということを理解して下さっているから、そのように判断して下さっているのです。
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