海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.09.24 2012:09:24:12:12:26

自分たちの権益追求ばかりでは、法医学会の提言は市民の賛同を得られない。

 ですから当然「司法解剖否定派」でもありません。私は司法解剖制度の「問題点を指摘し」「批判している」のであって、その理由は、司法解剖が市民に情報公開しないでもいいと思っていること、それと司法解剖に対する監査制度がなく、いい加減な司法解剖を排除できないシステムになっている、という2点を指摘しながら、一向に改善しようという努力が見られないからです。

 

 これを立場のある法医学者が、大学の授業だか講演会だかは知りませんが、公式の場で海堂尊は「司法解剖否定派、Ai至上主義」だと言うのは、名誉毀損に近い誹謗中傷だということはご理解いただけると思います。

 

 

 同じようなことは「輝天炎上」第二回(野性時代2012年7月号P150)にすでに書いてありますので、その部分を抜粋しましょう。

 

「彼ら(法医学者たち)は僕の言葉の一部だけを引用し、新しい文章を作り出す。真ん中を端折ってあちこちにばらまいている。そして僕を法医学の朝敵だと吹聴している。彼らの言によれば、どうやら僕はこんな風に言っているらしい。『Aiを実施すれば解剖はしなくていい』、とね」

 

 そしてどうして法医学会の一部上層部がそんなことをしているのか、ということもその続きに書いてありますのでご一読を。

 

 

 今回のツイッターが明らかにしてくれたのは、法医学会の一部上層部の先生が、私に対する誹謗中傷を執拗に行なっているということです。法医学会の中には、市民社会の公益を第一に考えて提案している私を貶めて、自分たちの権益を守ろうとしている人物がいる、しかもそれは特別講義をするくらい偉い人で、法医学会上層部に属する人らしいということが明らかになったことで、私が行なっている法医学会上層部批判が正鵠を射ている、ということの間接的証明になるでしょう。 

 

 こんなだから法医学会は市民社会から支持を得ることができず、結果として法医学者は減少していってしまうのです。

 

 だってそうでしょう? 私に対してそういうことをやるということは、自分たちの気に入らない人物に対しても、こういうことを陰でこっそりやる体質の団体だ、ということなのですから。そして特に若手はそんなことをされたいと思う人はきわめて少数です。これって今、社会で蔓延しているいじめ問題と、根っこは相通じる部分があると思います。法医学会はイジメ中学校とまったく同じような集団だったわけです。

 

 海堂尊は法医学会という集団の中で、陰湿な誹謗中傷を受けているということは、残念ながら事実のようです。それは法医学会を攻撃しているからだ、と言われるかもしれません。でも法医学会の問題を指摘しないと、不利益を蒙るのは、市民の人たちなのです。

 

 私はどうすればいいんでしょうか。見てみぬふりをせよ、とでも?

 

 こういう場合、イジメをする集団の体質改善をお願いするのが、筋でしょう。あるいはそういうイジメのような陰湿なことをする人材に懲罰を加えるなりするのが、集団のモラルを守るための、唯一の方策でしょう。イジメのあるクラス全体を変えるためには、イジメの主犯に対してきちんと問責しなければ、何も変わらないということとよく似ています。

 

 法医学会が開かれた集団になれば、世の中はかなりよくなるだろうし、法医学者志望者もまた、増えるでしょうね。

 

 だからといって私は、どこぞの某東大教授のように特別講義で、その法医学者を名誉毀損で訴えたりはしません。そんなヒマ人でもありませんし、何より言論の自由は守られるべきだと思っているからです。人には、間違ったことを言う権利も、人の悪口を言う権利もあります。

 

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