幸い、現在、社会全体では、医療主体のＡｉ導入が推進されようとしています。医療現場も遺族も苦しむまずにＡｉを導入できるシステム構築に、警察庁も協力していただきたいものだ、と思います。

　こうした問題はＡｉプリンシプルの受容で解決されます。「Ａｉは医療現場の終点で医療従事者が行い、診断情報は遺族に必ず、必要に応じ市民社会に呈示され、費用は医療費外から医療現場に支払われる」という原則です。

　法医学会がメンバーの警察庁提言も、Ａｉに言及するなら「警察庁から医療現場に検査費用が支払われ、情報は遺族と市民社会に呈示される」という枠組みにしなければ、市民社会のためにはならない。そうでなければ警察は意図的に情報隠蔽システムを維持しようとしていると判断せざるを得ませんね。そうならないことを強く願っています。私は人々の善意を信じたいのです。

　しかし、こうして問題提起していると、社会ではＡｉのことばかりうるさい、という不特定多数の人々の声が聞こえてきます。でも、わかっている人間が声を上げ続けないと、結局最後には、今回の原発事故のような事態になってしまう。私は残念ながら原発の実体を知らずにいましたが、問題意識を抱いていた人はいて、ただ、それがうやむやにされていた。まさに、無知は罪、ということです。

　なので、私がＡｉと警察の関係について言及をやめないのは、もしもＡｉが警察の手に落ちたりしたら、情報公開されない暗黒捜査がまかり通ってしまう可能性がある、と気がついているからです。

　そして、こころある人たちに、ワクチンとしてその考えがしみ通っていることが、治安維持法のような危険な法律の下で国家が破滅に向かって進んだ過去の枠組みを踏襲せずに済むために、私ができる唯一のことなのです。

　さて、そんな中、新聞報道はあいかわらず、死因究明問題については大本営発表の拡声器のような姿勢を続けているようです。以下の記事を読んで、思わず大笑いしてしまいました。

　それは法医学者が、自分たちの領域の権益拡大しか考えず、この提言が実現した際は「法医栄えて万骨枯れる」ことになりかねない提言だったからです。メディアが、官庁の発表を勉強せずに垂れ流ししている実態は相変わらずですので、まずは記事の抜粋から。