したがって、「Aiは医療現場の人間が、医療のエンドポイントとして行い、その費用は医療費外から拠出する」という原則さえ呑んでもらえれば、私はむしろ、死因究明センター構想の大半には賛成でさえあるのです。
法医学会のみなさん、Aiに対する潜在的な弾圧を止めて、共闘しませんか。Aiを医療現場にきちんと返還し、医療と司法の境界線をきっちり引くことができれば、医療と司法の和解は可能でしょう。
いいニュースもあります。内閣府に講演に行ったとき、千葉大Aiセンター副センター長の山本先生と、筑波メディカルセンター病院の塩谷先生を諮問するように提案しましたが、先日、ついに内閣府をお二人を呼ぶことを決めたようです。
法医学一辺倒の意見聴取では、医療現場ではシステムが回らないということをようやく理解していただけたのだと思います。
私は法医学会と対立しているように見えますが、それはAi に関する部分だけです。そして、Aiを放射線科医の手に、という私の主張は、自分の権益とはまったく無関係です。一方、法医学会の方たちは、自分たちの権益のど真ん中の主張です。どちらが理性的な判断をしているか、という点を、医療従事者のみなさんは、冷静に考えていただきたいものだ、と思います。
私が言っているのは、すべて一点に尽きます。
「どうせ作るなら、市民社会のために一番いい制度を作ろうよ」
実はこれだけだったりするのです。
以上
2009.02.27 海堂尊
2009.02.27 海堂尊