以前からこのブログで問題点を指摘していた死因究明関連法案が衆議院を通過してしまいました。ほとんど国会内での議論なしで、です。
この法案の問題点は、法医学教室に予算取りを容易にするような条文が書き連ねられていて、そうやって調べられた死因について、市民に対してきちんと情報公開されるという部分が、条文で担保されていない点にあります。
つまり、この法案を推進した原動力となった法医学会上層部の人間の本音は、「市民に対して死因情報を公開するなんてめんどくさいことはやりたくない。でも、自分たちの領域に予算は手っ取り早くつけたい」という気持ちしかない、ということが明らかになったということです。
残念ですね。法医学会上層部の人たちって、あさましいなあ、と。この法案は、もともとは法医学会上層部の人たちの陳情から成立したものです。つまり法医学会上層部の人たちが、「市民にきちんと死因究明情報をお伝えしたい」と思っていたら、そういう条文修正は可能だった、ということです。
その条文が盛り込まれなかったということは、法医学者は、遺族に対して、その家族の死因をきちんと伝えるという、人間感情としてしごく当たり前の要望に対応せずに、自分たちが金銭的に豊かになることしか考えていなかった、ということでもあります。
でも、そういう人たちに、いくら人の道、市民の利益を説いてもムダだということが、今回の一連の流れでよくわかりました。
まあ、法案は人間が造ったものですから、修正だって必要です。そして日本医師会は、そうした理念の元に、これからもこうした修正に声を上げ続けてくださるようです。