海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.05.11 2012:05:11:11:06:51

地獄と天国の4月が終わり、原発全停止の2012年5月5日

 20124月は地獄のようでした。いや、むしろ天国だったのかも。
 

 返信メールもままならないような忙しさというのは、私にとっても未体験ゾーンでした。


 その理由は3つの仕事にありました。
 

 ひとつは将棋名人戦初戦の観戦記執筆依頼。もうひとつは三浦綾子生誕九十周年記念講演会での講演です。そこに八戸市民病院でのドクターヘリ三周年記念講演会が重なり、さらに5月刊行の『ほんとうの診断学』(新潮社)と6月刊行『アリアドネの弾丸』文庫ゲラ、7月刊行の『ケルベロスの肖像』のゲラをおのおの3回ずつ直しで戻し、そこに連載中の「アクアマリンの神殿」と「スリジエセンター1991」が重なり、本当に死ぬかと思いました。
 

 でも、その大変さの原因となったふたつの行事、将棋名人戦の観戦と三浦綾子文学記念館の見学は、とても印象深いものでした。
 

 

 将棋名人戦は、観戦記者として、対戦室に入れてもらいました。森内名人と羽生二冠の闘いは多くの方は将棋雑誌や観戦記で読んだことと思いますが、その場に居合わせると、まったく違う光景が見えてきます。今年は名人四百年、そしてA級順位戦70期という節目にもあたり、前夜祭から大変素晴らしかったですし、第二戦も大熱戦だったようで、華やかな名人戦になりそうな予感がします。4月20日から5月2日までの二週間にわたり、朝日新聞に観戦記を執筆しました。いやあ、大変でした。でも朝日新聞のM記者さんと藤井猛九段のおかげで何とか形になりました。この場をお借りして、感謝申し上げます。
 

 このあたりの経緯は「将棋世界」7月号に「余はいかにして名人戦観戦記を執筆するに至ったか」というエッセーを執筆していますのでお楽しみに。
 

「将棋世界」さんの企画で棋士のムック本シリーズを作るらしく、第1弾は谷川浩司永世名人ということで対談させていただきました。楽しみですが、スケジューリングの立て方など、周辺環境が少々不安ですので、「将棋世界」さんにしっかりと作り上げていただきたいと思います。こんな地獄のようなスケジュールの合間で対談させていただいたんですから。そして谷川先生も私以上に大変なスケジュールを調整してくださったのですから。しっかりお願いしますね、「将棋世界」編集部さん。
 

 

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