私が見るところ病理学会は若手研究者がまったく育っていません。若い病理医で世間に名を知られている人は皆無ではないでしょうか。病理学会自体の体質には問題があります。かつて病理学会の若手研究者だった私はAiを提唱し、啓蒙に努力してきたのに、いざAiが公募科学研究になるという脚光を浴びた途端、病理学会上層部の先生たちが、私だけを仲間はずれにして公募科学研究班を創設したのです。これでは、有志の若手が育つはずがありません。
そうした公募科学研究の主任研究官が、現在の病理学会理事長です。
いやあ、白い巨塔ですねえ。
若手病理医のみなさん、狭いギルドの中で、その仕組みに従順と従っているだけだと、市民社会にそっぽを向かれてしまいますよ。お気の毒なことです。
というわけで5月の連休は久々に何もせず読書三昧で過ごしました。「旅のチカラ」でキューバに行った時、ゲバラ関連の書籍を読みまくりましたが、あれ以来で半年ぶりです。文庫解説を書いてくださった西尾維新先生の『悲鳴伝』と島田荘司先生の『暗闇坂の人食いの木』です。どちらも大変面白くて一気読みでした。さすがです。そうした方に解説をいただけたことは大変光栄なことだなあ、としみじみ思います。島田先生の本は、今さらそんな昔の本を、と思われるかもしれませんが、私は1986年から1994年くらいまで読書をまったくしなかった時期があったのです。その時期に世間を席巻していたのが島田先生を始めとする新本格ムーヴメントとW村上の台頭だったわけで。
本をゆっくり読むヒマもなく、書いて書いて書きまくってきましたが、メイン・シリーズが閉じるのを期に、少し立ち止まってみます。
取りあえず、旅に出ます。いや、比喩ではなく本当に(笑)。それについてはまた後日。