海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.05.11 2012:05:11:11:06:51

地獄と天国の4月が終わり、原発全停止の2012年5月5日

 さて、2011年5月5日は、「全原発完全停止した日」として記憶されるでしょう。実は私はそのことをまったく知らず、とある雑誌編集者から聞かされました。そういえば新聞やテレビはそんな報道は一切しないなあと思っていましたが、さすがに5月5日、6日の新聞各紙はその事実を大々的に報じていたようです。
 

 原発事故に関し、私は基本的には天災だと思っています。もちろん人災部分もあるでしょうが、それを非難する資格は私自身にはないと思っています。けれどもその後の政府や東電の対応はひどい。したがってそうした人たちに任せたら、同じ過ちが繰り返されてしまう。であれば原発はひとまず中止して考えていくというのが筋だと思います。
 

 原発を稼働しなければ電気料が値上げされるというロジックも詭弁です。今、電気料の値上げをするのは、原発事故の賠償金の捻出のためです。夏の電気が不足するというのは居直り強盗の恫喝みたいに感じられてしまいますね。
 

 とりあえず原発マネーと言われるお金の流れを透明化することが必要です。でないと原発再稼働の支持は国民から得られません。でも驚いたことにどうやら政府や官僚たちは原発を再稼働させることに腐心しているようです。よほどの利権があるのでしょうか。
 

 ここで再稼働に固執し続けると、あらぬ勘繰りをされてしまうのではないでしょうか。いや、あらぬ勘繰りどころか、実際の事実なのかもしれませんが。
 

 原発の再稼働と消費税の増税という大きなふたつの政策を実施したいのなら、総選挙で民意を問うべきだと思います。それくらい、そのふたつのことは大きいことだと思います。
 

 市民は、このふたつに関して選択していないのです。
 

 

 政府や巨大産業は、周囲の透明化は強制しますが、自らは不透明化することに必死です。そんな構図が丸見えになったという意味でも、2012年5月5日は日本のターニングポイントになった日でしょう。
 

 そんな日に私もゆっくりと考える時間がもてたことは、たぶんひとつの啓示なのでしょう。
 

 

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