だって、この社会は市民の権利を守るために構築されているはずなのですから。たとえそれが建前上のこととはいえ。
さて、法案は参議院に送られています。参議院議員の見識が問われています。ここで無議論、無修正でこの法案が通るようなら、参議院の存在価値は、私から見て皆無になってしまいます。
さて、政治やら法医学者やら、暗い人たちばかり相手にしても、世の中残念に思えてきてしまうばかりですから、ここは気分を変えて転調します。
そういえば前回のブログの最後で、「本をゆっくり読むヒマもなく、書いて書いて書きまくってきましたが、メイン・シリーズが閉じるのを期に、少し立ち止まってみます。取りあえず、旅に出ます。いや、比喩ではなく本当に(笑)。それについてはまた後日」と書きましたが、そのご報告。
実は五月中旬から下旬にかけて、ボリビアとアルゼンチンに行ってきました。このふたつの国の名を聞いて、その共通点にぴんときた方は相当なフリークです。
答えは何か。
それはチェ・ゲバラです。アルゼンチンで生まれたゲバラは、キューバで革命を成し遂げ、ボリビアで政府軍に射殺され、その生涯を閉じました。
NHK「旅のチカラ」でキューバ革命のゲバラを学んだので、今回の取材で、その生と死について見てきました。このあたりのことはたぶん、「『このミス』大賞作家書下ろしブック」で連載するかもしれませんので、お楽しみに。
しかし、ゲバラの人気は世界中で高く、ゲバラが射殺されたラ・イゲラの村などは、ゲバラ観光がなければとっくに消滅していたかもしれません。まさに、「死せるゲバラ、生けるラ・イゲラの民を養う」といったところでしょう。
ちなみにボリビアではゲバラは「赤いキリスト」と呼ばれて崇拝されているという情報がありました。私はそれが本当かどうかという確認したいという気持ちも、今回の取材旅行にはありました。
それにしても、南米は遠い。移動時間が三十時間以上かかるというのは、かなり堪えます。でも、こんなチャンスを頂戴できて、とても嬉しかったし、そこで新しい物語も生まれてきそうな気もしました。いずれにしても、ゆっくり仕上げていこうと思います。
いずれにしても、ゲバラは原則を貫き、その途上で倒れましたが、その人生は今の世界中の人々から仰ぎ見られています。今の日本にそういう政治家がひとりでもいてくれたらなあ、と残念に思う今日この頃なのでした。