海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2010.05.26 2010:05:26:18:23:56

怒濤の一週間。ぜいぜい。

 さて、木曜日は、好評放映中のテレビドラマ「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」の収録を見学に。救命救急現場の撮影で、久方ぶりに、伊藤敦史さんと仲村トオルさんにお目に掛かりました。なんだかおふたりとも地で演技されていて、とてもラクそうでした。新メンバーとして、ジェネラル・速水役に西島秀俊さんを始めとして、加藤あいさん、白石美帆さん、戸次重幸さん、木下隆行さん、浅見れいなさんといった方々と御挨拶させていただきました。西島さん率いるチームは舞台裏では和気藹々で、仲村さんと伊藤さんが全体をまとめあげているような、いないようなつかみ所がないけれども、雰囲気がとてもいい感じでした。ドラマ収録が楽しそうです。愚痴外来の患者として、出演いかがですか、という伊藤さんに温かく提案していただくと、仲村さんが隣で好き勝手に台本なしでどうぞ、と段取りを決めてしまい、プロデューサーがあたふたされる場面も。嬉しいご提案でしたが、今の状態で私が愚痴を好きなだけ言ったら、それだけで一話分になりそうなので(笑)。視聴率も好調なようです。当然でしょう。だって面白いんだもん。
 話の中身は変わってしまっていますが、映画のバチスタ、ドラマのバチスタ、そして小説のバチスタが独立しながら、どこか共通点を持って展開していけば、それはそれで豊かな世界なのではないかなあ、などと思ったりします。
 西島さんが、「チーム・バチスタ3/ジェネラル・ルージュの凱旋2」をやりましょう、などというわけのわからない提案を本気でしているという話を聞きましたが(笑)、どうも西島さんが「俺(速水)って死んじゃうんですか?」という不安を抱いているらしく、私にも聞くので、「速水さんは医者なんだから自分で診断なさったらいかがですか」と突き放すと、今度はプロデューサーさんに尋ね、はぐらかされていました。後で私も気になってこっそり聞いたら、何と私にも教えてもらえない。原作者の知らない物語展開。はて以前どこかで見たような光景が。何だか釈然としませんが。。。
 現場はとてもよくまとまっていて、くつろぐ時は和気藹々ですが、撮影に入るとぴん、と空気が張りつめます。本物の救命救急チームみたいだなあ、としみじみと見学していました。いろいろなエピソードは、医療監修の先生方が協力して下さっているとのことで、大変ありがたいことだ、と思います。
 とまあ、先週はなんともジェットコースターみたいな派手な3日間を過ごしました。とどめはその晩、週刊新潮連載「ナニワ・モンスター」の5回分の原稿渡し。おかげでバテバテです。でも、深夜でも原稿を取りに来てくれる担当者はありがたいものです。そして私の願いは単純で、面白い物語の完成度を高めたいだけ。ただそれだけなのです。
 さて来月はアフリカ取材で2週間ほど日本を離れます。わくわく。
 

 近況を
1)6月に文庫が2冊出ます。『ジェネラル・ルージュの伝説』と『ジーン・ワルツ』の文庫化です。前者は書き下ろし中編と、ダヴィンチに掲載した「君去りし後」を追加収録。自作解説とダイアリーに関しては、単行本出版後の1年半分を書き足してあります。『ジーン・ワルツ』は、新潮文庫夏の100冊に入れていただいております。
2)7月に(たぶん)『ブレイズメス1990』(講談社)が出版されます。『ブラックペアン』の続編です。すごく派手な作品に仕上がりました。乞う、ご期待。
3)9月に約2年ぶりの宝島社での本編を出す予定です。タイトルは『アリアドネの弾丸』。久しぶりの原点回帰、ばりばりのミステリーです。たぶん。いや、自分ではミステリーのつもりで書いたんですが。
4)そういえば少し前、新潮社「yomyom」vol5にエッセーを書きました。青いパンダの表紙のやつで、タイトルは、「パルパルのように」。文学とは挑発することと見つけたり、というエッセーです。あと、「銀座百点」にもエッセーが近いウチにのるようです。
 

 なんだか、朝から晩まで書きまくっている、という感じ。生活がどんどん単純化しています。
 

                           2010.05.24     海堂尊

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