海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2010.06.29 2010:06:29:14:08:59

南アフリカ取材旅行と「死因究明に資するAiの活用に関する検討会」設置

  6月13日から約2週間、南アフリカに取材旅行に行ってきました。サッカーのワールドカップも見てきました。前後に絶妙に講演会予定がはいってしまい、見られたのは負けたオランダ戦だけ。でも、広大なアフリカの大地で、他にもいろいろ見て、空気をたっぷり吸って参りましたので、これからさまざまな作品に影響を及ぼすことでしょう。物語世界のノルガ共和国に厚みが出てくると思います。お楽しみに。角川書店の編集Aさんと現地ガイドのAさんにはとてもお世話になりました。ありがとうございました。それにしても、私の面倒をいやな顔ひとつせずに見て12日とは、おふたりとも超人的な精神かと(笑)。
 ひょっとしたら、どこぞで旅行記を書くかもしれませんので、ここでは印象的だったことを。
 南アフリカ、危ないと騒がれていましたが、全然そんなことはなく、いい国でした。もっとも、ヨハネスブルグの市街地は本当に危ないということで、旅行に組み込まれませんでしたが、それ以外のところでは、それほどの危険は感じませんでした。むしろ明るくて過ごしやすい国だ、という印象があります。女子アナが一斉に渡航を自粛した、というのは、明らかに過剰反応です。日本のメディアは、もう少し自分の頭で判断していかないと、世界に取り残されてしまうでしょう。そもそも女子アナの渡航自粛、いったい誰が出したのでしょう。
 印象に残ったのは、初日のヨハネスブルグ空港と帰りのヨハネスブルグ空港の様子が全然がらりと変わったことです。初日はかなり緊張感が溢れ、どことなく恐怖心を抱かせるものもありましたが、帰国時の空港はとても明るく、すっきりした雰囲気になっていました。これは大勢の人たちが明るい気持ちで怒濤のように押し寄せたから、澱んでいた部分が浄化されたのではないか、と思っています。そう考えると、このワールドカップが南アフリカで開催された、ということは、世界平和の観点からみて、とてもいいことだったのではないかと思います。
 日本も劇的な勝利で決勝トーナメントに進出したことですし、めでたしめでたし。それにしても、2勝1敗の成績で1敗した試合しか見られなかったとは。。。日頃の行ないのせいでしょうか。
 でも朗報もあって、旅行中、例によって時差ボケが最後まで直らず、結局、1本小説を書き上げてしまいました。正確にいうと、0.7本でしょうか。
「モルフェウスの領域」から始まる「野性時代」での不定期連載中の連作があるのですが、どうやらケリがつきました。帰りの機中では10時間ぶっ通しで執筆し(だって時差ボケで眠れなかったのだもん)、仕上げました。順次連載していき、年末か年明けに出版できるのではないかと思います。これでまずは義理を果たしたといえるでしょう。
 次は南米を舞台に絡める工夫をしてみようかな(笑)。

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