ちょっとややこしいので、最後に簡単に整理を。
1「千葉大Aiセンター方式」は「法医学会理事長方式」と同じ骨格です。
2「千葉大法医方式」と「大阪法医学方式」は同じ仕組みです。
そして1「千葉大Aiセンター方式」は放射線科医が診断し、診断レポートを作成し、遺族に情報を伝達するシステムまで組み立てられています。
一方、2「千葉法医方式」は法医学者が診断しますが、診断レポートは作成されず、遺族に対し情報を伝達する基本原則も未確定です。
同じ千葉大が発信しても、その仕組みはまったく異なるものです。しかし、発生する画像はひとつ。市民のみなさん、あなたはどちらのシステムで、Aiを撮影してもらいたいですか?
長崎大法医学教室が示した英断が、どれほど素晴らしいかは近いうちに歴史が証明するでしょう。法医学現場でのAi画像に対し「Aiセンター」の放射線科医が喜んで協力するか、それとも「放射線科と連携し」「恣意的にコンサルトされ」「費用が現場に適正に支払われない」ために失望して撤退するか、ということで一目瞭然になる。これが同じ日本の中で、同時に起こっているのです。同じ金でも、生き金と死に金の違いになる。納税者としていたたまれません。
Aiの診断クオリティを守るためには、法医学教室で発生したAiも全例、放射線科医に診断コンサルトしなくては社会責任を果たせません。こうしたことを今、一般市民や意識の高いメディアは完全に理解し始めています。CTを導入しつつある法医学会の諸先生にお尋ねします。みなさんは「千葉大法医方式」に追随しますか。それとも「法医学会理事長方式」を選択し、開かれた信頼される診断を目指すのでしょうか。
これから、CTが導入された法医学教室に順次取材をかけて、その実態を明らかにしていこうかな、なんて考えています。その際はご協力、よろしくお願いします。
2010.04.14 海堂尊