海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2009.02.19 2009:02:19:17:32:51

私に不利な証拠として

 2月7日はAi学会があり、解剖至上主義のO先生に、規約の不備やら手続きの不備やら重箱の隅をつつくような攻撃にあってしまい理事会運営だけは立ち往生。O先生は、設立当初からAi学会に属しながら「Aiという名称がよくない、学会にもなっていない。だから『PMI研究会』を作ればいいのだあ」と6年近く主張し続けているのに、なぜかAi学会から離脱せず、ただひたすら文句を言い続ける奇特な先生です。そしてなんとO先生は、私を訴えている深山教授の公募研究の当初からのメンバー3人のひとりでもあるのでした。申請時のメンバーとは、深山教授(病理学会副理事長)、病理学会理事長の長村教授(東海大)、そしてこのO先生だったのです(なぜか病理医ばっかり)。つまり「解剖至上主義者」の利害関係のど真ん中にいらっしゃる。ちなみに深山教授は仮処分申請の際の上申書で、私がブログで「O先生の参加を記載しないことによって、本研究班があたかもAiに関してまったくの無配慮であるかのような印象をあたえた」というような主張をされていたのですが、深山先生と長村先生は、Aiの経験ゼロ、O先生は確かにAi学会に名前をつらねてはいるけれど、昔から「私は解剖をするときにAiなんか参考にしないし、解剖だけですべてがわかるのだ」と、病理学会どころかAi学会のど真ん中で公言し続けているような方なので、画像診断であるAiの真の意義など理解できるはずもない。O先生は私と同じ病理医だから画像診断は専門外だし、そもそも事前にAi画像を一切見ずに解剖しているんですから業務にも無関係。そして同じような立場である私は、といえば、Aiのシステムをきちんと確立するためには、自分の専門の病理分野では不可能なので、専門家である放射線科の先生に首を垂れて教えを請い、一方のO先生は画像診断の研究実績も診断実績もないのに「画像であるAiなど、解剖の足元にも及びもつかんのだあ」とのたまい、病理医中心、放射線科医軽視の研究班立ち上げに全面協力する。
 さて、どちらが医学者として正しい姿勢なのでしょうか。
 ちなみにO先生はかつてAi学会での討論の際、「病理解剖での死因確定率は7割くらい」とおっしゃっていました。法医学の岩瀬教授は対談で、「司法解剖での死因確定率は8割」とおっしゃっていたので、その差の一割は、解剖医としての技量の差なんでしょうか。
 初心に立ち返って考えてみれば、そもそもAi学会はAiを積極的に推進するために創設された会なのだから、Aiの推進役に徹し、ブレーキ役は他の学会(例えば法医学会や病理学会の上層部の人たち)に任せればいいのに、と思うのです。O先生はしきりに「きちんとした学会にするべきだ」と言うのですが、たとえばO先生が主に属する(もちろん、私も属していますが・笑)日本病理学会はもうじき100周年を迎え、会員数は4000人、年会費15000円 評議委員なら20000円もぼったくるから、会費収入は年7200万円、正味財産額なんて2億2000万円という堂々たる学会です。かたやAi学会は生まれて六年の小学一年生、会員だって300人少々、年会費1000円で繰り越し金は20万円ちょぼちょぼ。それをボランティアで何とか回しながらひいこら運営しているのに、規約の片隅をつつかれて、きちんと理事会を運営しろなどと言われると、これはもう解剖関連学会からの破壊工作員にしか思えない。よちよち歩きの学会に、100歳近い立派な大人(というか、すでに御大)の学会と同じ義務を求めるなんて、子どもの未来を壊すようなものではないだろうか。。。というのが個人的な感想です。
 Ai学会の翌日は、病理学の大学院の恩師の喜寿のお祝い会で、病理医の昔の同僚(先輩だったり同期だったり後輩だったり)から、口々に「Ai学会は大丈夫なのか」と心配されました。その先生たちはAi学会に属してないし、前日の学会に参加もしていません。ずいぶん話が早いなあ、と不思議に思って尋ねてみると、O先生は病理学会関係のあちこちでAi学会の悪口を言いふらし、潰した方がいい、とおっしゃっているのだとか。やっぱりね(笑)。まあ、O先生にとってはAi学会が潰れてしまっても、病理学会が主管する厚生労働省研究班の班員という実利をすでに手中にしているのですから、どうでもいいのかもしれませんが。それにしても年間収入20万円ちょぼちょぼ、年間支出10万円弱という、利権が皆無に等しいAi学会の運営に、なぜあそこまで固執するのかがまったく理解できません。
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