それでも世の中が少しずつ、変わり始めています。こんな記事がありました
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○孤立死や高齢化・最新設備で対応 都監察医務院新しく 東京新聞7月12日
亡くなった人の死因をCT画像で調べる死亡時画像診断(Ai)を、東京都監察医務院が新たに始める。十二日に開院式があった文京区の新庁舎にCT画像システムを導入した。遺体を解剖する前にCT画像で遺体に骨折がないかどうか調べ、死因特定につなげる狙い。千葉大や群馬大など一部の法医学教室ではCTを導入しているが、自治体では初めて。
都監察医務院の昨年一年間の解剖数は2338体。一人暮らしの高齢者の孤独死が増えたことなどから、ここ数年、2500県前後で高止まりしているという。都はこうした実態を考慮し、延べ床面積を従来の1・4倍に拡充し、解剖数の増加に対応できるようにする。画像診断は解剖前のすべての遺体を対象にする方針。システム導入費は一億三千万円。
同医務院の福永龍繁院長は、「CT活用で全遺体の一割の死因が特定できる。解剖の精度を上げたい」と話している。同医務院は23区内で見つかった変死体などを調べて死因を究明する。犯罪性があれば警視庁が大学の法医学教室などに司法解剖を依頼し、その他の死因不明の場合には監察医務院で行政解剖する。都は老朽化した旧庁舎の建て替えに伴い、新庁舎には脱法ハーブなどの成分が体内にあるかがわかる薬物分析装置を購入し、解剖台や検案室も造設。常勤医も二人増員している。会員式で安藤立美都副知事は「高齢化で死因のわからない遺体は増えている。一人の死を万人の生につなげたい」と挨拶した。
この手の記事では、珍しくツッコミ処のない、きちんとした記事でした。それも、監察医務院の福永院長は、最初に挙げた内閣府の死因究明推進会議の委員のお一人で、おそらくそこで日本医師会や放射線学会の委員と会話を交わしているうちに、医療界におけるAiの現状を把握したからでしょう。
メディアだって法医学者だって変わりつつある。私の目の前に立ちはだかった方たちはたぶん、歴史の要請だったのかもしれません。世の中を変えるのは人です。人を動かすのは熱意と言葉です。少なくともAiがいい方向に動き出しているのは、市民のみなさんの気持ちの表れだと、確信しています。
ただ、官僚の継続性だけは普遍の気もします。すると日本を滅ぼすのはその頑固一徹な一貫性になるのかもしれませんね。
なんだか、このブログのエンディングも近い気がします。