あとはちらほらと。
おかげさまでこの夏は重版ラッシュでした。『玉村警部補の災難』と『螺鈿迷宮』文庫の重版のお知らせをいただきました。監修させていただいた『救命――東日本大震災における医師たちの奮闘』も重版が決まりました。これは監修なので私の本と呼ぶのは失礼なのですが、いい本です。
特にめでたいのは理論社『医学のたまご』の重版です。二千部と部数は少ないのですが累計九万八千部、目標の十万部まであとひと息です。理論社さんは再建中で、かつてのトラブルの時、著者との交渉で本を断裁するようなこともあったようです。けれども本に罪はありません。世に生まれた本が読者に読まれることなく断裁されるなど、かわいそうすぎる。
というわけで『医学のたまご』重版のお知らせは何よりも嬉しいものでした。
とまあ、今回の海堂ニュースは、海堂はAi以外のことも書けるのだなあというところをお見せしようとした回でした。そしてこれからはこうした形態が増えていくでしょう。
それはAiは日本社会に導入されたので、私の仕事は一段落がついたからです。
けれども正しい導入のされ方はまだほど遠く、司法冤罪の原因になるシステムは温存されたままです。市民社会のことを思う医療と、情報隠蔽と自らの領域を守りたいと願う一部捜査関係者(含法医学者)たちとの闘いは、市民のためを思う医療従事者に勝利してもらいたいと思うのですが、さて結果は如何。
死因究明制度を検討する有識者会議が間もなく設定されるようですが、まずはそこに、医師会の代表者が選ばれているかどうか、また、法医学者の比重が異様に高い人選になっていないかどうか、について注目していきたいと思います。