海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2009.02.03 2009:02:03:17:28:37

『平成21年秋開催予定の第55回日本病理学会秋期特別総会における学術研究賞演説(A演説)』に演題応募しました。

 ちなみに堤先生は拙著『イノセント・ゲリラの祝祭』を大絶賛してくれていました。そりゃそうでしょう、堤先生が出席した厚生労働省の医療事故調査委員会創設委員会でのやり取りなんて、物語と瓜二つなんですから(笑)。誤解なきように書いておきますが、堤先生が発表された頃には原稿は当然仕上がっておりましたので、私の物語はあくまでフィクションです。念のため。そう、現実が私の物語を模倣しているんです。なんちて。

 映画はTBSさんで、ドラマはフジテレビ・関西テレビさんなんですが、こうしたイレギュラーな差配をしたのは私の領分ではありません。両局の方には、個人的にはまったく含むところはありませんので、どうか誤解なきようお願いします。

 さていろいろありますが、今回は初心に帰り、アカデミズムの話。実は先日、日本病理学会秋期大会のA演題に演題を応募しました。病理学会の応募要項によれば、以下のごとくです。
平成21年秋開催予定の第55回日本病理学会秋期特別総会における学術研究賞演説(A演説)とB 演説の募集をしております。
これら演説の応募内容は、以下の要件を満たすことといたします。学術研究賞演説(A演説)
(1) 優れており、かつ蓄積された研究であること。
(2) 原則として日本国内で行われた研究であること。
(3) 内容に関する責任の明確な研究者による発表で、内容は共同研究によるものであっても発表者自身はそれを代表するものであること、従って単独名が望ましい。

 病理学会では、かなり格の高い発表会です。実は四年前、やはりAiで応募した時は落選の憂き目にあいました。採択会議に参加していらしたシンパの先生に伺ったところ、「うーん、面白い内容だとは思うが、果たして病理学会でやるべきことではなのだろうか」という一言で却下されてしまったのだそうです。
 でもそれなら今回は大丈夫。だってAiの必要性を病理学会理事長と副理事長が、認識し、施設の枠を越えて厚生労働省の公募研究に共同応募、みごと班研究採択を勝ち取っているからです。病理学会会員なら誰でもご存じのとおり、私は2001年から病理学会でAiに関し発表を続け、シンポジウムやワークショップも企画してきたAi研究の第一人者。「学術的に」検討すれば、この流れの中でこの応募演題が採択されないはずがないでしょう。でもって、応募演題抄録が以下のようなものです。
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