海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

『海堂ニュース』最新ネタ満載!

2007.12.14 2007:12:14:16:22:04

バチスタ映画・撮影完了 シャドウ・グロリアス・セブンの巻

 『チーム・バチスタの栄光』の映画撮影現場に二回目の見学に行って来ました。今度は東宝の撮影所です。私はミーハーなので、俳優や女優の方を直接拝見できる撮影現場見学は、本当は何度も伺いたいと思っていたのですが、どうも私が伺うとみなさん本当に気を遣って下さるので却って恐縮してしまい、撮影にもよくないだろう、と我慢したのでした。でも、二回目の見学はどうしてもお願いして予定を組んでいただいたものです。
 理由は医療監修をして下さった須磨久善先生に、御礼を申し上げるためです。
 ご存じの方も多いでしょうが、須磨先生は日本におけるバチスタ手術の嚆矢の先生です。映画化のオファーがあった時に須磨先生に監修をお願いできるという話を伺い、一も二もなく、お願いしたのです。
 行きの車の中で、例によって宝島ワンダーネット(宝島社とは別会社)の社長が言いました。「須磨先生は手術を終えて時間があると、現場に駆けつけてくれるそうですよ」
 ありがたさに、言葉もありません。
「それから須磨先生が、グロリアス・セブンの人たちそれぞれに、専門医のアドバイザーを手配して下さったそうです」
「ええ? そこまでして下さったんですか」
 社長はうなずきます。
「須磨先生は本気でお手伝いして下さってるようですよ」
 グロリアス・セブン(栄光の七人)というのは、『チーム・バチスタの栄光』の心臓外科チームの別称です。心臓外科医三人、麻酔医、臨床工学士、手術室看護師、そして病理医の七人です。それぞれの専門医の先生が各専門医の先生がついて下さったわけです。
「今日は俳優の方はいらっしゃらず、専門家による手術手技の部分撮影をしているそうです」
「そうですか」
 俳優さんはいらっしゃらないのか、と少し残念に思いながら、車は東宝撮影所にすべりこみました。
続きを読む 123