海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

『海堂ニュース』最新ネタ満載!

2007.04.16 2007:04:16:12:20:03

お手紙が返ってこない。

 さて、先日"氷姫"からメールを頂戴した話を書きました。案の定、「勉強会」の企画は進んでいません。約束を守る、というのは、「美しい国」の中枢を担う人たちにとっては最低限のモラルのはず。
 実は、お返事は一回頂戴していて、それには、「勉強会は現在検討中であるが、多忙ゆえ延びている。近いうちに考えます」とありました。ですが同時にこんなニュースが。
「厚生労働省は医療関連死における事故調査委員会なる仕組みを立ち上げる予定で、広く国民からパブリックコメントを求める予定です」
 これって、「あんたの話は一般人のひとりの意見としてきくから送ってネ」、ということなのだろうか、と思わず邪推し、いやまてまて、勉強会まで開こうと いうのだからそんなはずはない、まして私の二冊の医学書まで御購読いただいているのだからと気を取り直し、と思いは千々に乱れました。私はすぐさまお返事 メールを打ちました。
「ご丁寧なお知らせ、ありがとうございました。現在、宝島社さんの方で、私の書籍専用の紹介ホームページを作成していただいているので、是非、オンタイムで当たり障りのない範囲で経過報告をすることにしました。
 恐らく、パブリックコメント募集の告知や開かれた厚生労働省のアピールのお役にも立てると思います。また、勉強会の経過や反応なども、リアルタイムで世 の中にお知らせすることもできるかと存じます。若輩者ではございますが、多少なりともお役にたてるのではないか、と思っております。著作の方では、霞ヶ関 バッシングをかなりしておりますが、これは創作上の必要性のためであり本心ではございません(笑)。よりよい社会システムを構築するために、微力なりとも お役に立てるのであれば、これほど幸せなことはございません。急ぎ、御礼とお知らせまで。」
 あれからひと月。未だにお返事ありません。(泣) はてさて、今後どうなるのでしょうか。

註: 「氷姫」、「火喰い鳥」は共に、ある役職の人ですが、現実には「火喰い鳥」はこの二年でころころ変わり4人目、「氷姫」も三人目のようです。この頻繁な配 置転換というのは、官僚お得意のディフェンスシステムです。医療現場では担当が変わる度に一から説明を積み上げなければならず、これが医療行政の遅滞をも たらしています。この勉強会案件に関しては、このニュースを申し送り案件にしていただければ、「聞いていません」といういいわけは不作為による怠慢になる わけです。
 現実には今の室長は「初代白鳥」、その部下の方は「初代氷姫」、と言わなくてはならないのではないか、と考えています。

(海堂 尊)