一方、法医画像研究会の歴史はせいぜい二、三年。
先行するAi学会から共催を持ちかけたにも関わらず、設立して日の浅い法医画像研究会が「時期尚早」と返事をするのは、法医学者の閉鎖性、あるいは唯我独尊さを示しているとしか思えません。しかも世話人が決まっていないので対応困難、なんて言うのですから、その身の程知らずさには本当にびっくりです。
そして危惧するのは、そうした閉鎖的なメンタリティでは、きちんとした学問が育たない、ということです。
組織論は大好きなのに、自前の画像研究会の仕組みはぼろぼろ。情報を隠蔽し、粗製濫造するのが大好きに見えるような振る舞いをするから、法医学者は市民社会からそっぽを向かれてしまうんです。これだけ言ってもまだわからないようですけど。
いかにも、天上天下唯我独尊、頑固一徹の法医学者の、閉鎖性あふれるメンタリティを象徴するような、一連のエピソードをご紹介しました。
Ai学会は日本医師会と協調し、Ai研修会の土台を担っていて、今や、医療分野でのAiを代表する組織になっています。
そんなAi学会に対し、法医学関係者がかくも無礼で不躾な対応をしたということこそ、法医学者は社会情勢音痴であるという、何よりの証に見えます。
解剖は大変だと言いながら、医療関係における解剖分野である病理解剖については、オフィシャルの場ではまったく無視し続けている。こうした性格は変わらず傲慢だ、ということをあからさまにしてしまったエピソードでした。
彼らの主張は変わりません。「Aiでは不充分だ。解剖をしなければならない」
毎日新聞のスクープ記事で、新法解剖ができても解剖は増えていないことが明らかになっています。死因究明制度の検討会で法医学者が強く主張してできた仕組みなのに、解剖は増えなかったのです。つまり法医学者の思うとおりに作られた制度なのに、結果は解剖は全然増えなかった。
新しい法律まで作ったのに、法医学者が主張するような解剖は増えなかった。