海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.04.25 2013:04:25:19:49:13

自民党政務調査会、第一回死因究明体制推進に関するプロジェクトチームで講演を。

 この特別企画でわかったことは、外科学会は医師法二十一条の改正を求めている、ということです。ですから医療事故調の設立は医師法二十一条の改正が終わった後に始めればよろしいかと思います。それなら筋が通ります。でも私の推測では、国は医師法二十一条の改正は決してしようとはしないでしょう。ですから外科学会が主張を通せば、医療事故調の創設は座礁します。あるいは医師法二十一条改正を検討する、という口車に乗せられ、医療事故調だけ先行して作ってしまい、後で裏切られた、と地団駄を踏むかのいずれかでしょう。

 

 ここまで事前に予見されながらも外科学会や内科学会の上層部が医療事故調の拙速な創設に走るとしたら、それはエキストラオーディナリー・スーパーイディオット(信じられないくらい途方もない大バカ野郎・マルC輝点炎上by海堂尊)と嘲笑されても仕方がない。そうならないことを、医療現場の最前線で医療を懸命に支えている医療従事者のために、切に祈りたいと思います。

 

 

 最後に、自民党政務調査会に提出したレジュメを転載します。これを読んでいただけば、小児死亡症例全例にAiを、という社会システムは市民にとって必要不可欠なものになり、それを実現できない政府や官僚に対して、不信感を持つでしょう。

 

 小児全例にAiを実施すれば、小児医療の基盤になる情報を遺体を傷つけずに取得できる上、憎むべき小児虐待を早期発見することもできる。このすぐれもののシステム導入にかかる費用、年間五億円をどの省庁が負担するのか、なんてことばかり慮り右顧左眄しているようでは、霞が関の官僚が市民の安寧を考え仕事をしているとはとても言い難い。まして自らが招聘した識者が全員一致で賛同した提言を、二年間も放置し続けている状態があからさまになった今、厚生労働省が重視しているのは市民の幸福の達成だなどとはとてもいえないでしょう。

 

 こんな状況下でも厚生労働省はいまだに年間一億円近い血税を診療関連死におけるモデル事業、そしてその後継組織である日本医療安全評価機構につぎ込み続けています。日本医療安全評価機構の内実が杜撰なものであることはここ数回のブログで、市民目線から指摘しています。厚生労働省と日本内科学会、外科学会、病理学会、法医学会の上層部の方たちがAiを敵視し、解剖を主体とした制度作りに固執し続けたがために、Aiの適切な社会導入は五年も空費されてしまいました。その間、Aiが適切に導入されていたなら救えたであろう、多くの市民の悲しみ、空費された血税を思うと、切歯扼腕の思いに身を焼かれてしまいそうです。

 

 橋本岳議員は、小児死亡症例全例にAi実施を、ということを自民党の公約に盛り込むべく、提出したというお知らせもいただきました。関連省庁へも打診したようです。今は、黙って期待していたいと思います。

 

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