海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.02.01 2013:02:01:21:06:01

今年は散文的に

 面白いところでは、青山剛昌さんの『名探偵コナン』単行本の裏表紙折り返しに名探偵図鑑なる項目があるのは有名ですが、78巻で何と、白鳥圭輔が登場しました。シャープな視線は名探偵そのものですが、それでいいのか、白鳥。

 

 とはいうものの、とても嬉しかったですね。青山先生、ありがとうございました。

 

 

 ここのところ、不思議と歌集づいていて、歌人の伊藤一彦先生から、最新歌集『待ち時間』を謹呈していただきました。歌というのは密度が高く、消化がなかなかに大変なのですが、印象的な歌をひとつ、ふたつ。

 

 致死量の 日向の空の青にまだ 殺されずわれ 生きているなり

 人の世の 地獄を見つつ咲けるなり 桃花は桃花の 地獄生きつつ

 言葉というものは、まことに無限の可能性を秘めたものだ、と思います。

 

 

 講演会は今、減らしています。2月は茨城の神栖図書館で講演するくらい。久し振りの講演会(といっても、空いたのはひと月ですが)なので、少し緊張しています。まあ講演は執筆の仕事量の二割程度にしておかないといけませんね。経験則から、ですが。

 

 

 そんな中、第11回『このミステリーがすごい!』大賞の授賞式がありました。大賞受賞の安生さんの『生存者ゼロ』は好調のようで、華やかな授賞式になりました。しかし局長や選考委員の書評家の方々が挨拶で口を揃え出版界の厳しさを言い、作家の五年生存率なる言葉が飛び交いましたので、最後にご挨拶させていただいた時、早期胃癌なら五年生存率はほぼ百パーセント、と医学的に裏付けされている事実を申し上げ、毒消しをしました。やはり医学は科学なので、説得力抜群です。早期発見、早期治療ということは、作家で言えば作品をコンスタントに出し続けるということになるでしょう。みなさん、頑張ってくださいね。ま、とりあえず私は五年生存できました。めでたしめでたし。

 

 そんな中、宝島社と『このミス』大賞関係者に朗報が。

 

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