海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2013.02.01 2013:02:01:21:06:01

今年は散文的に

 夕張市民病院再建を遂行してこられた村上智彦先生が、三月に新潮選書から本を刊行することになり、ゲラで拝読させていただきました。仮タイトルは『医療にたかるな』。その中の印象的な一節を引かせていただきます。

 

○ 緊急事態に置かれている場所においては、無能な善人ほど有害なものはありません。

 

    「皆の意見をよく聞いて......」などと言っている"謙虚な政治家"は一生かかっても現状を変えることなど出来ないと考えています。なぜなら、そのような軽々しい台詞を使う政治家は、自分で責任を取ってでも決断しようという覚悟がないからです。悪く言えば、決断を「民意」に丸投げしているだけです。

 

 いやはや、優しさとか気配りと見える中に、無責任という姿勢がまぎれこむ、面倒な時代になったものです。私が見るに、こうした人は今、日本社会に蔓延しているので、政治家に限ったことではないと思いますが。詳しくは雑誌「波」3月号に書評を執筆させていただくので、ご参考まで。

 

 

 新年早々、暗い話ばかりでもなんですから明るい話も。というかAi絡みの話が暗いのとバランスを取るかのように、文芸関係は華やかなスタートになりました。君はもう、そっちで生きる方が向いてるよ、と天が言ってくれているかのようです。Aiを一生懸命誠実にやろうとしても、学会の偉い人たちからは、ひどい仕打ちしか受けませんでした。比べると文筆の世界は、認めてくれるべきところは認めてくれるなあと、本当にうれしく思います。

 

 あ、でも文壇もアカデミズムと少しは似たところはあるのかな。そう、あんまり手放しで褒めると、しっぺ返しをくらうので、用心しないと。

 

 まあ、ではさっそく明るい話を。

 

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