原発をやめるという政党がないのに驚かされています。これでは国民の意思を選択できないのではないでしょうか。なぜだろう。
特に維新の会が脱原発の旗を降ろしてしまったのは、びっくりしました。社会の空気を読めないのでしょうかね。
残念ながら民主党は、政権交代での公約を果たせませんでした。何より、公務員改革がほとんどすべて失敗したのがどうしようもない。内紛ばかりで野合の衆、烏合の衆というのは、こういう集団を言うのだろうと、期待が大きかった分、がっかりさせられました。
事業仕分け、なんだったのでしょう。
この結果、はっきりしたことがあります。
政権交代の勝者、それは官僚の忍耐だったと結論づけられるでしょう。そしてそのことは、国民の多くに、どうしようもない閉塞感を与えています。
官僚制度はもはや機能不全状態に陥っており、そのモラルは地に堕ちています。復興予算と銘打って増税しながら、その予算を自分たちに都合のいいこれまでの既存の予算につけかえる。これは国家的詐欺ともいうべき挙動です。官僚の世界にいると、それがどれほどの不実であるか、わからなくなってしまうようなのです。税金はもともと国民の拠出金であり、官僚の財布のカネではありません。そこのところを認識していないとしか思えません。
野田首相が、脱原発活動のデモを首相官邸の周りでやっていたとき、「大きな音がするね」とコメントしたニュースが流れました。国民の切実な願いの声を「大きな音」などと表現したあの一件が、野田首相の本質です。原発再稼働、消費税増税など、国民の信を問わなければならない場面はいくつもありました。それらをスルーし、一部の政治家の判断で決定し、全部決めた後に自分が党内での支持を失いそうになったため、解散する。結局、高笑いしたのは、原発再稼働を決めてもらった経産省と、消費税増税を決定してもらった財務省、そして復興予算を被災地以外に使用してもいいとこっそり書き換えた官僚の人たちです。
官僚制度改革を謳って政権を奪取した民主党は、気がつくと官僚の言いなりの内閣で、官僚の都合のいい法案ばかりを通した後で、もはや使い捨てモードです。
国力は衰え、意気消沈した日本。その空気を作り出したのは、いつの間にか官僚と仲良しになって言いなりになってしまった民主党政権だと思います。