『警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案』
（目的）第一条　この法律は、警察等（警察及び海上保安庁をいう。以下同じ。）が取り扱う死体について、調査、検査、解剖その他死因又は身元を明らかにするための措置に関し必要な事項を定めることにより、死因が災害、事故、犯罪その他市民生活に危害を及ぼすものであることが明らかとなった場合にその被害の拡大及び再発の防止その他適切な措置の実施に寄与するとともに、遺族等の不安の緩和又は解消及び公衆衛生の向上に資し、もって市民生活の安全と平穏を確保することを目的とする。
 

　この目的のためならば、「市民と社会に情報開示する」という項目が明記されていないのはおかしい。法案で開示の視点を落としてしまう国会議員の姿勢も問題アリです。だからといって私はいたずらに批判ばかりしているわけではありません。ちゃんと対案があるのです。
 

　それは上記の法律にたった一条、書き加えることです。
 

「Ａｉ診断は医療現場の専門家に委託し、情報は医療原則に準じて遺族と市民社会に公開する」という一文を加えれば済むのです。そうすればむしろ積極的に賛同したいくらいです。
 

　本当は解剖情報もそう対応すべきですが、今の法医学者にそこまで求めるのは無理でしょう。彼らは、捜査行為を偏重し、市民社会で一番大切な、社会に対する情報開示の重要性を理解できない人たちなのですから。そのメンタリティは、治安維持法時代の「おいこら警察」からあまり変化していないように見受けられるのです。