海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

『海堂ニュース』最新ネタ満載!

2012.04.16 2012:04:16:18:24:05

 ふたつの「死因究明に関連する法案」が提出された春。あるいは「麻雀トライアスロン・雀豪決定戦」と「第70期将棋名人戦」など。

 近況です。
 

1)角川ワンテーマ新書にて『医療防衛――日本医師会はなぜ闘うのか』は好評発売中。今や民主党の野田政権は財務省のいいなりで、消費税増税を閣議決定。もはや民主党は政権奪取した頃とは別政党。選挙民としてはこの不実、どうやって抗議すればいいんでしょう。
 そんな中、共著者の今村聡先生は日本医師会副会長に当選、昇格されました。縁起がいいですね。
 

2)『ケルベロスの肖像』(宝島社)絶賛手直し中。ゴールは間近。最後の一押しの取材が残っていますが、七月刊行はばっちりそうです。
 

3)『輝天炎上』は絶賛停滞中。刊行が延びる予感がひしひしと。連載開始は大丈夫ですけど。
 

4)新聞三社連合『アクアマリンの神殿』、週刊現代『スリジエセンター1991』はゴール寸前。いろいろなものが終わっていく春。
 

5)講演会もいくつか。2月にやったものが落ちていたり。
 ひとつが広島市民文化大学での講演。1500名の観客の方々は本当に勉強熱心な方たちでした。広島は承諾解剖ゼロ、死因究明制度の暗黒地帯だと言ったら、みなさん目を丸くしておりました。知らないって怖いですね。だから、法医解剖なんて法案で作ったって絵空事だというんです。
 

 続いて愛知県厚生農業協同組合連合会での講演。これは厚生病院の団体ですが愛知は名古屋といえば、ブログでもさんざん指摘した、解剖制度は手厚いけれど実質的な死因究明制度がぼろぼろの、張り子のシャチホコの町。なもんで思わず攻撃モードになってしまいました。でもAiで医療事故冤罪を防いだ、有名な症例を経験した安城厚生病院もあり、そこの先生方がAiをやって本当によかったとしみじみ感想をおっしゃっていたのが印象的でした。
 

 そう、Aiは現場で誠実に頑張っている医療従事者の味方なのです。
 

6)「ダ・ヴィンチ」誌「一服の相対性」枠で短編を書きました。同じ場面をふたつの視点でかき分ける企画もので、こういうのはお手の物。北へ飛ばされたあの人が帰還する掌編小説で二ヶ月連続掲載。今月はサイドA『古巣への帰還』、来月はサイドB『突然の来訪者』。ちなみにJTのホームページでは逆の順番で同時に掲載されます。
 

7)「IN★POCKET」で医療小説特集を組んでもらえることになったので、短編小説「医療小説特集騒動記」を執筆しました。辛口の短編、乞うご期待。
 

8)上でも引用しましたがPHP新書で海堂ラボ書籍版第一巻を刊行します。タイトルは『日本の医療 この人を見よ――海堂ラボvol.1』です。
 

 とにかく、この医療メンバーがすごい。これだけは胸を張って言えます。
 

9)新潮社「波」、キューバ紀行「キューバ・ラブワゴン」第4回は最終回。5月号掲載。副題は「サンタクララのもうひとつの顔」。日本に戻ってこられなくてもいいや、というお気楽紀行で大団円。
 

10)名人戦の後は八戸ドクターヘリ三周年記念の講演会予定。そして三浦綾子先生の生誕九十周年記念会の講演会は4月25日、旭川にて。今年は北国の春の様相。
 

11)文庫化の嵐は4月、『ブラックペアン1988』新装版。一冊です。5月、『ブレイズメス1991』のゲラも完了しました。これも一冊で、解説はなんと西尾維新先生。一年前の対談を思い出します。西尾維新特集だったのに、私の顔写真入りで、海堂特集に見えたような記憶が。
 

 ご多忙なのに恐縮至極です。どんな風に書いていただけるのか、びくびく、わくわくです。
 

 6月は『アリアドネの弾丸』上下巻です。やはり改稿終了。少し肩の荷が下りた春。こちらの解説はなんと島田荘司先生。実は年末、とあるところでお目に掛かってお話を伺いました。「アイディアが浮かぶときには、一度に1000個くらい、シャワーのように降ってくるんですよ」と聞いて呆然。ジャコビニ流星雨じゃあるまいし、と思ったのを覚えています。私の作品の中で、一番本格作品の『アリアドネ』の解説をいただけるなど、望外の喜びです。
 

 ちなみに解説者をお願いする方は、編集者に一任しています。「この方でいかがでしょう」と聞かれて異論を唱えたことなど一度もありません。いつも、そんな立派な先生方にお願いするなんて、とひたすら恐縮するばかりです。ありがとうございます。
 

12)私事ですが、推理作家協会に入会をお願いしました。理事会審査があるそうなので、果たして入会を認めていただけるかどうか、どきどきの春です。過去の舌禍が我が身に祟り......(笑)。
 

 

                                                             2012年4月8日   海堂尊
                     

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