海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

『海堂ニュース』最新ネタ満載!

2012.02.17 2012:02:17:21:18:31

盛況だったAi学会とAi研修会

 また、日本医師会の『医学における死亡時画像診断(Ai)の活用に関する検討委員会』が平成22年三月に公表した、『医療・医学における死亡時画像診断(Ai)の活用について』においては、小児の場合、親の心情的側面から解剖が拒否され、死因が救命されないことは多く、一方、Aiは非破壊的であるから親の理解を得られやすく、Aiまで拒否する親は虐待の可能性が高いと見なしうるとの考えなどから、小児の死亡(平成20年において、014歳の小児の死亡数は4820人)について、全件でAiを実施すべきとされている。」

 

 

 つまり児童虐待において、Aiを積極的に活用すべきだ、という方向性を、総務省は厚生労働省に対して、この政策評価書で示したのです。

 

 ようやく、Aiの夜明けが見えてきました。

 

 

 近況です。

 

1)初の短編集『玉村警部補の災難』を2月10日に宝島社から上梓、好評発売中。何となく『バチスタ』に似ている黄色い表紙の、初の警察小説です。実は中身は本格ミステリー、足かけ五年かけて熟成させた自信作群、どうかお楽しみに。

 

 ブログ掲載直前に発売3日目重版が決まりました。ありがとうございました。

 

2)同じく宝島社から「『このミステリーがすごい!』大賞10周年記念 10分間ミステリー」が刊行されました。表紙に受賞作家の名前がずらりと並んでいますが、ほぼ全員とのこと。ほぼ、ということは誰が抜けているんだろう、というのもミステリー(笑)。私はわかりませんでしたが、『このミス』通の人は是非チャレンジしてみてください。あと、私の作品は、内輪受けだの手抜きだの、一部の人たちから非難囂々のようですが、まあ、あの作品は、『このミス』に対する愛、ということでどうかご寛恕を。

 ちなみに手抜きではありません。結構大変でした。くだらない、脱力系の面白さを目指しましたので。

 ちなみに、編集部に寄せられた声の中で、中山七里さんの「海堂さん、あんまりですう」という抗議は、至極もっともに思えますので、この場をお借りして中山さんにだけは謝罪してお許し願おうと思います(笑)。

 

3)新聞三社連合『アクアマリンの神殿』、週刊現代『スリジエセンター1991』は絶賛好評連載中。ゴールは近い、はず。うん、たぶん。

 

4)『ケルベロスの肖像』、宝島社さんにて絶賛手直し中。六月刊行目指します。何だか、肩の荷がひとつ下りたような。

 

5)「これに伴い、もうひとつとんでもない事態が。それに関しては、またいずれ」などと前回書きましたが、その種明かしを。

 『螺鈿迷宮』の続編、かつ完結編を秋に刊行すべく「野性時代」で連載開始予定。タイトルは『輝点炎上』。いまのところ、連載開始予定5月、刊行予定9月です。

 世の中で、まだ誰も解いていない螺鈿迷宮の謎が明らかになります。

 突然呼び出された担当さんたちはえらく驚いていましたが、正直一番驚いているのは、こんなものを突然書いてしまった本人かと。一ヶ月間、籠もりっぱなし。ちょっとだけ西尾維新さん気分。やればできる。でも、これでご勘弁を。

 

6)海堂ラボはおふたりのゲストをお招きしました。佐賀大学Aiセンター副センター長の阿部一之先生は放射線技師として、Ai推進に尽力してくださった方です。何しろ、当初は放射線技師さんたちがAiの一番の抵抗勢力だと思っていたので、それをひっくり返して下さった恩人です。放射線技師という職業が世間にあまり知られていないので、大変興味深い番組となりました。

 そして、満を持して登場したのが、海堂ラボ史上もっとも強力な出演者。ロックシンガーの吉川晃司さんです。スタジオに消火器を用意しなくてはならないか、とも心配したのですが、東日本大震災のボランティア活動や、チャリティコンサートでコンプレックス再結成など、真摯に今の思いを語ってくださいました。

 しかし、相変わらずかっこいいお方です。どうぞお楽しみに。

 好評だった海堂ラボもあますところ、あと二回。

 

7)これに関連し4月、PHP新書で海堂ラボ書籍版第一巻を刊行予定。十二人のゲストに登場していただきました。タイトルは『日本の医療・この人を見よ―海堂ラボvol.1』となります。

 

8)『コマンダンテの海』。一部、二部をオール讀物2月号と3月号に集中掲載。

 

9)新潮社「波」、キューバ紀行「キューバ・ラブワゴン」第2回は3月号掲載。

副題は「オラ、ハバナ」。俺はハバナだ、という意味ではなく、オラというのはスペイン語でこんにちは、の意味。受け取った担当者が呆れた顔をしたもので、誤解に気づいて解説です。

 

10)これまた超隠し玉ですが、角川oneテーマ新書で対談本。日本医師会常任理事の今村聡先生と共著で『医療防衛―日本医師会はなぜ闘うのか』を三月刊行。これにも天馬大吉と別宮葉子という、螺鈿迷宮―輝点炎上コンビにご登場願いました。言いたいことは「日本医師会は開業医の利益団体ではありません」ということです。

 それでは一体何なのか。本書に答えが書いてあります。特に医学生は必読。

 

11)他にも進行中の企画が一本。ちなみに学術物。学術物と言えば、1月に超隠し球を刊行してました。金芳堂から新創刊された『放射線医学シリーズ・放射線医学総論』にて、『22章・オートプシーイメージング』をAiの第一人者である塩谷清司先生と共著で執筆しました。ちなみに本名ではなく海堂尊名義。昔、ペンネームで学術発表するなんて学術の冒涜だ、と私を非難した法医学者もおりましたが、少なくとも放射線学会はきわめてフランクです。ありがたや。

 

以上、ワーカホリック・海堂尊がお送りしました。

                          2012年2月14日 海堂尊

                     

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