海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.02.17 2012:02:17:21:18:31

盛況だったAi学会とAi研修会

 こんな時代には「唯才」ということが大切になってきます。三国志の時代、魏の曹操は「才能があれば、モラルや倫理は問わない」といって、大胆な人材登用をしました。その時代は活気溢れたものになったといいます。曹操が闘っていたのは儒教をベースにした古代中国の官僚制度です。その意味で、がんじがらめの官僚制度が社会を窒息させている現代日本とよく似た状況に思えます。

 

 唯才という言葉を解き放てば、社会はもっと明るくなるでしょう。

 

 私も名誉毀損裁判の時には、メディアの反応にげんなりさせられたものですが、何かやろうとする人をスキャンダルとかで足を引っ張るという社会は暗い。メディアは権力だから、そんな力の使い方をしていると社会が閉塞してしまいます。おまけにスポンサーの批判はできない。つまり安全地帯から弱者を叩くのが今のメディアの性向なのです。

 

 Aiの正しい導入の結論は出ています。画像診断の専門家が診断する、お金は医療費外から医療現場に入れる、情報は遺族と社会に公開する。こうしなければ冤罪と捜査ミスが助長されてしまう。

 

 繰り返し指摘しているのに、警察庁はAiに法律の網を掛けるばかりに必死になり、そのことにメディアは気づかない。あるいは気づかないふりをして取り上げない。これだけ言ってもメディアが書かないのがその何よりの証拠です。

 

 唯一の救いは、検討会に民主党の足立信也議員が参加していることでしょうか。ただこれも諸刃の剣で、もしそれでもこの法案が通過してしまうようなら、そしてそれは実は民主党の中心の人たちがそう目論んでいるように思えてならないのですが、その時は民主党に対する信頼は完全に失墜します。いや、もうほとんど失墜しているんですが。

 

 一事が万事、多くの人がこんな裏切られた感を抱いていると思われます。そうならないよう、警察庁が目論んでいるAiの扱いには、注視していきたいと思います。

 この問題についてはしつこいですよ、私は。このまま行ったらその時は、市民社会の危機になってしまうから。

 

 そして実は今、かなり危険な状況になってしまっているのです。

 

 官僚ファッショの時代に気づいている人は少ない。そして気づいても、それはメディアでは報じられないのです。こわいこわい。

 

 

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