海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2012.01.10 2012:01:10:12:10:16

引きこもり続ける法医学会

 実は、もしも法医学会の上層部や警察上訴部が、こうした試みに利権やしがらみなく、市民のためにのみ邁進している、というのであれば、スクラップ・アンド・ビルドはたやすいはずです。でも、利権維持や、体制護持のために行われていたら、監察医制度を維持したまま、法医解剖という新しい解剖制度の導入をしようとするビルド・ビルド・ビルドになってしまうでしょう。

 

 でも、そうしたことは一切報道されない。

 

 メディアの怠慢、ここにきわまれり、今や大新聞は官報になりはてているように思います。これで本当に日本は民主主義社会といえるでしょうか。民主主義を破壊する第一歩は、メディアが事実を報道しないこと、だと思います。

 

 困ったものですね。

 

 

 市民のみなさんのために、しつこいようですが、もう一度繰り返します。日本医師会、Ai学会が主導する、Ai研究会の後援組織に、放射線学会、病理学会、救急救命学会が参加しています。でも法医学会は参加しようとしません。これはすなわち法医学会でAiを扱う人たちが、Aiに対し真摯に、誠実に診断しようと考えていないということの現れだと思います。結果、そんな法医学会の閉鎖的な姿勢が冤罪や捜査ミスにつながり不利益を蒙るのは、まさに市民のみなさんです。

 

 さて、ここまで明瞭に指摘しました。今後の法医学会の動きや、如何。

 

 

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