海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2011.04.28 2011:04:28:18:15:58

モデル事業、ついに終息へ。

 さて今回、大災害が起こり、いろいろなことが変わらざるを得なくなっています。たとえば死因究明に関しても、災害死した方々については個体同定が何よりも必要になりますが、たとえばこのモデル事業では、そうした検討はまったく対応できません。しかし、Aiが死因究明にどう関与できるかという「Ai検討会」であれば、そうした仕組みについて検討することも可能です。そしてそこで仕組みが検討されれば、それは医療事故に関する死因にも応用できます。つまり、診療関連死に関する検討会は、Aiに関する検討会に合併吸収されるのが、現状では妥当なのです。

 

 

 こうなると5月末に予定される、厚生労働省の「死亡時画像診断に関する検討会」の答申も、これまで厚生労働省医療安全推進室は、なんとかモデル事業の文言を組み込もうとして委員に「失笑」されるようなことにもなっておりましたが、完全に省略せざるを得なくなるでしょう。同時に、今回の大災害における個人同定システムについても言及しなければ時節に対応した答申にはなりません。

 現在、委員の間でたたき台の案が検討されておりますが、これは大震災前に作成されたものですので、大幅な書き換えが必要でしょう。まだ答申の検討まで一ヶ月あるので、十分に対応可能なはずです。是非、練り直した答申案を、座長の門田先生、委員の諸先生方、そして厚生労働省医療安全推進室にお願いしたいと思います。

 

 

近況です。

 

1)『ナニワモンスター』、好評発売中。おかげさまでさっそく重版いたしました。これで一安心。29日福岡の丸善ジュンク堂、30日梅田の紀伊國屋書店でサイン会をしますが、このブログがアップする頃にはおそらく終わってしまっているかと。これに伴い、「波」で郷原信朗さんと対談しております。きわどい話、ヤバい話、もりだくさん。ただし紙面にはほんのちょっとだけ。うう、そうだったのか、検察。また杉江松恋さんが印象深い書評を書いて下さっています。ありがとうございました。「浮上する時がきた」、そうか、潜航してたんですね、私。自覚症状は皆無でした。何しろ集中砲火を浴びやすい体質なもので(笑)。あ、それとも文壇界やミステリー界で沈められていた、ということなのかしらん。

 

2)NHK火曜日10時、「マドンナヴェルデ」も絶賛放映中です。松坂慶子さんの聖母のような微笑が印象的。第3回に実は出演してます。

 

3)やはりNHKのスタジオパークに出演予定だったのですが、国会中継であえなく延期。収録だけしていただいてあります。近田アナと青山アナと楽しく過ごさせていただきました。ドラマ主演の松坂慶子さんから、感激のメッセージが。放映は5月中旬らしい。生放送のスタジオパークに録画出演とは、いつもイレギュラー体質でして。お楽しみに。

 

4)いよいよ東京新聞、北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の四社新聞の夕刊に「アクアマリンの神殿」連載開始。挿絵は漫画家の深海魚さん。かわいい絵です。『モルフェウスの領域』の続編のはずが、もう、まったくテイストの違うお話になってしまいました。お楽しみに。

 

5)週刊朝日でも、「極北ラプソデイ」が好評連載中。間もなく新展開、いよいよ北の物語にスター降臨。

 

6)海堂ラボ、今回は夕張市の医療再生に取り組む村上智彦先生と、日本医師会常任理事の今村聡先生。収録後、はからずも同じメッセージを発信したお二人が、控え室で意気投合され、議論に花を咲かせたのが印象的でした。放映は、5月です。

 

7)5月末より、週刊現代で「スリジエセンター1991」連載開始。現在、鋭意執筆中。連休明けには第一回をお渡ししなくてはなりません。というわけで一句。「ゴールデンウイークとは名ばかり作家業」。多少字余り自由律、でも一応季語アリ。何しろ句会参加者として出演したので、せめてこれくらいは(笑)。

 

2011.4.28 海堂尊

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