須磨先生のドラマはダイジェスト版を拝見しましたが、感動のあまり四度くらい、涙腺を破壊されそうになりました。半分に短縮されているのに、隣の講談社の名物編集者「メフィスト」座談会のJ部長も目が真っ赤。これで二時間二十分の拡大版を見せられたらどうなってしまうのか。本当は原作がいいからだと声を大にして言いたいところですが、この作品に限っては素材のよさがすべてなので、須磨先生の生き方がドラマになって決して見て損のない、というより、見ないと損をする素晴らしい出来になっていますと声高に言わせていただくことで我慢します。もしドラマを見て感動したら、その時は是非原作本のご購入を(笑)。それにしても宇津井健さんが、二十年以上前に水谷豊さんと共演した時も師弟関係だったのが、今回も師弟役だったので、「宇津井と水谷は"相棒"ではなく師弟である」とキメていたのは、テレビ朝日さん(水谷豊さん主演の人気ドラマ「相棒」)への配慮も含めてさすがだと思いました。いやあ、貫禄ですね。
さて、お待たせしました。田口・白鳥シリーズ最新作、『アリアドネの弾丸』9月10日発進です。読み心地は「イノセント・ゲリラ」プラス「チーム・バチスタ」。何がなにやらわからぬ人は書店で手にとってみてください。あ、それだけじゃなくて、それをもってそのままレジへ(笑)
ええと、それから本の旅人でアフリカ旅行記の中編を。前後編のつもりがいつのまにやら上中下。今回はダーバンでオレンジの悪魔の手先と大舌戦の巻。あ、ちょっと違うかな。
それから、モルフェウス@野性時代、着々と連載中。次号タイトルは確か「モラトリアムの残照」だったような。もうすっかり忘れてます。
それからPHPの「文蔵」で、医療小説特集をやってくれるはずでインタビューを受けてます。一ヶ月前のことだけど。あと「ダ・ヴィンチ」でも「新人賞特集」で『このミス』大賞代表で出演するらしい。
週刊新潮「ナニワ・モンスター」、絶賛連載中なれど、検察庁の不興を買っていうという恐ろしいウワサがちらりほらり。不祥事ルーレット、誰から取材したのか捜索中だとか。えええ? アレって本当だったんすか? いやまさか。誓って書きますがあんなもん、取材で聞けるはずがない。創作ですよ、創作。いや、本当に。あたふた。というわけで、ひとつの目標を達成した、今の私はゴルゴ13の名作短編「海に向かうエバ」気分といったところでしょうか。
2010.8.24 海堂尊