海堂尊 - 第四回『このミステリーがすごい!』大賞(『このミス』大賞)大賞受賞作『チーム・バチスタの栄光』の著者

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2010.02.16 2010:02:16:17:44:20

第4回 医療・医学における死亡時画像診断(Ai)活用に関する検討委員会

「第4回、医療・医学における死亡時画像診断(Ai)活用に関する検討委員会」
司法解剖の死因確定率は75パーセントだそうで。

 先般、名誉毀損問題に対する裁判の判決が出ました。これに関しましてはまた後日。

 前回「1月下旬、医師会でのAiの検討会が開催され、そこで千葉大法医学教室の岩瀬教授が、死後CTについてご発表されるとのこと。その際、画像診断をどうしているのか、詳細にお聞きしようと思っています。何しろ法医学教室は情報閉鎖性が高く、なかなか外部から実態を知ることが難しいので。また、そのことに関しては詳細にご報告するつもりですのでお楽しみに」

 と告知しました。まずその約束を果たしましょう。これはきわめて興味深い発表でした。

 2010年1月22日、日本医師会にて『第4回医療・医学における死亡時画像診断(Ai)活用に関する検討委員会』が開催されました。討議事項は二題、千葉大法医学教室の岩瀬博太郎教授の「法医学より見た死後CTの利点・欠点」と久保田広一氏の「Ai情報共有サイト解説及び遠隔読影システム開発について」です。久保田氏の演題は、先日報道された「Ai情報センター」の中身についての説明です。 

 その検討会の前日、警察庁が「現在の検視体制など死因究明制度を強化するため、有識者から意見を聞く検討会を1月29日に発足させることを決めた」という報道がされ、検討会メンバーが発表されました。そこに法医学者である岩瀬教授と東京都監察医務院の福永院長の名前はありましたが、医療界のメンバーはひとりもいません。警察庁が構築した検討会が、死後画像診断についても検討するなら、「司法関係者だけの閉ざされたシステム作り」という、危惧していた問題が露呈し、死後画像診断(Ai)について理解しない人たちがシステムの枠組みを作ると、「社会に害を為すシステムになり、次のステップでは医療崩壊と診断モラルハザードを引き起こす」危機が生じます。

 これについてはまた、後日詳しく。

 ちなみに医師会の検討会での私の席は、千葉大Aiセンターの山本先生の隣。つまり千葉大法医学教室における画像診断の実状を一番よく知っている放射線科医にいちいち確認できるポジションです。以下は医師会で議事録を取っていますし、書かれている内容は事実に基づいています(笑)。

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